▽モラレス氏は約14年間の在任中、一次産品ブームによる富を広め、社会的・経済的安定をもたらしたと評価されている。
南米ボリビアのエボ・モラレス(Evo Morales)元大統領が来年の大統領選に向け、選挙キャンペーンを展開している。「近年の他の政治家たちは、あなた方に不幸しかもたらさなかった。今こそ過去に戻る時だ」
モラレス氏の支持者たちは2019年の激動の辞任以来、低迷するボリビアを救うようモラレス氏に求めている。
モラレス氏は約14年間の在任中、一次産品ブームによる富を広め、社会的・経済的安定をもたらしたと評価されている。
モラレス氏は天然ガスに依存した経済を構築。その後、大統領の任期上限を廃止し、2019年の選挙で4選を決めたものの、紆余曲折の末、辞任。この際、治安当局によるデモの取り締まりで34人が死亡した。
反対派はモラレス氏が分断を煽り、暴力を扇動し、独裁者のように振る舞ったと主張している。
憲法裁判所は先月、2023年の裁判所命令を再確認し、「大統領は連続であるか否かにかかわらず、2期以上務めることはできず、3選は認められない」と裁定。モラレス氏の夢を打ち砕いた。
しかし、モラレス氏は憲法裁をアルセ(Luis Arce)大統領の子分と呼び、大統領選に出馬すると言明。支持者に抗議デモを続けるよう呼びかけている。
アルセ氏はかつての盟友であるモラレス氏を「とんでもない男」と呼び、国民に団結を呼びかけているが、溝は深まるばかりだ
捜査当局は10月、モラレス氏が2016年に15歳少女との間に子供をもうけたという告発について捜査を開始。そして検察は今月中旬、モラレス氏を強姦罪で起訴した。
モラレス氏は法廷での証言を拒否。中部コチャバンバ県のチャパレ地方に立てこもっている。
地元メディアによると、モラレス氏が立てこもっているとみられる町にはバリケードが設置され、支持者が24時間体制で警備しているという。