◎警察は逮捕した17人の認否を明らかにしていない。
ボリビア政府は27日、軍事クーデターを主導したとされる陸軍大将を含む17人を逮捕したと発表した。
国民は26日、装甲車が大統領府のゲートを突き破り、中央広場を制圧し、軍兵士とみられる男たちが警察官に向けて催涙ガス弾を発射する様子を目撃した。
国営メディアによると、それから数時間後、クーデターを主導したとされる陸軍将軍と元海軍副司令官が逮捕されたという。
大統領府の報道官は記者団に対し、「クーデターを主導したもう1人の民間人を追跡している」と述べた。
警察は逮捕した17人の認否を明らかにしていない。
国営メディアが速報で報じた映像にはこれよりはるかに多い兵士の姿が映っていた。
報道官は「大統領府に侵入した者たちは警察の管理下にあり、捜査を進めている」と述べたが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。
また報道官は「首謀者たちは5月に計画を企て始め、昨日実行した」と述べた。
大統領府と国会の周辺にはアルセ（Luis Arce）大統領を支持する人々が集まり、クーデター未遂を非難した。
アルセ氏は27日のテレビ演説で、「陸軍の高官らが国家転覆を企てた」と述べ、国民に民主主義を支持するよう呼びかけた。
アルセ政権はパンデミックとロシア・ウクライナ戦争がもたらした世界規模の混乱により、難しいかじ取りを強いられている。インフレ率は高止まりし、ガソリンと食料の価格高騰が低中所得者層の生活を圧迫している。
陸軍大将らが勾留されている警察署の前にもデモ隊が集まり、シュプレヒコールを上げた。
地元テレビ局の取材に応じた男性は「ボリビアは独裁国家ではない。民主主義国家だ」と吠えた。
報道によると、陸軍大将は逮捕される前、アルセ氏が支持率を上げるためにクーデターを実行するよう軍上層部に命じたと主張したという。
一部の野党議員もアルセ氏がクーデターを自演し、支持率を伸ばそうとした主張しているが、その証拠は示していない。
