ボリビア・モラレス元大統領が公の場に、7週間ぶり「国外逃亡」説を否定
モラレス氏は2006~19年まで大統領を務め、2019年の退陣後も政界での影響力を維持したまま、2024年に人身取引の容疑で逮捕状が出され、中央政府と対立していた。
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ボリビアのモラレス(Evo Morales)元大統領が19日、7週間にわたる所在不明状態の後、同国中部で公の場に姿を現した。地元メディアが報じた。これにより、国内外で広がっていた「国外逃亡」や「病死」といった憶測に一定の区切りをつける形となった。
モラレス氏は2006~19年まで大統領を務め、2019年の退陣後も政界での影響力を維持したまま、2024年に人身取引の容疑で逮捕状が出され、中央政府と対立していた。こうした状況の中で、1月初旬にベネズエラの盟友であったマドゥロ(Nicolás Maduro)前大統領が米軍に拘束されたことが伝えられると、モラレス氏の安否をめぐる憶測がインターネットや政治的論争を通じて広がっていた。
こうした混乱を受け、地元のコカ栽培者組合が運営する放送局は、モラレス氏がトラクターに乗って中部コチャバンバの施設に到着し、支持者に向けて演説する映像を公開した。映像でモラレス氏は黒いサングラスをかけ、以前よりやせた印象を見せつつも笑顔を見せた。
モラレス氏は姿を見せなかった理由について「チクングニア熱」という蚊が媒介するウイルス性疾患にかかり、予想外の合併症を起こしたためと説明した。またモラレス氏は支持者に対して「チクングニアには注意しなければならない。本当に深刻だ」と呼びかけた。
モラレス氏は地元政治家やソーシャルメディアによって拡散された「国外逃亡」の噂を強く否定。「私は出て行かない。祖国を守るために国民と共にいる」と述べ、拘束の恐れがあるにもかかわらずボリビアに留まる意志を明確にした。
現在のボリビアは昨年10月の大統領選で中道保守派のパス(Rodrigo Paz)大統領が勝利し、モラレス氏が創設に関与した与党・社会主義運動(MAS)の20年に及ぶ支配に終止符を打った。新政権は米国との外交関係を修復し、かつてモラレス氏が追放した米麻薬取締局(DEA)との協力再開も進めている。この方針転換は、モラレス氏の支持基盤であるコカ栽培地域に不安を生じさせている。
パス氏は3月7日に米フロリダ州マイアミで開催されるラテンアメリカ諸国の首脳会議でトランプ(Donald Trump)大統領とも会談する予定だ。モラレス氏はこの動きを、1823年に始まったいわゆる「モンロー主義」の復活と見なし、「米国は西半球での支配を強化し、左派政党を排除しようとしている」と批判した。
今回の再登場はモラレス氏の政治的影響力を改めて示したが、健康状態や法的な立場、そして今後の選挙戦への関与についてはなお不透明な点が多い。ボリビア国内では、モラレス氏の復活をめぐる議論が続きそうだ。
