ボリビア大統領選、右派候補がリード、エボ・モラレス元大統領が窮地に

大統領選の投票日は8月17日。地元メディアの世論調査によると、右派候補が左派をリードしている。
南米ボリビアのモラレス元大統領(Getty Images)

南米ボリビアのエボ・モラレス(Evo Morales)元大統領は16日、右派候補が17日の大統領選を制した場蒼、モラレス氏を逮捕すると公約に掲げていることについて、「どう対応すべきか分からない」と表明した。

モラレス氏はAP通信のインタビューで、「どうすべきか?私自身も分からない」と語った。

大統領選の投票日は8月17日。地元メディアの世論調査によると、右派候補が左派をリードしている。得票率50%を超える候補がいない場合は上位2人が決選投票に進む。

憲法裁判所は5月、2期以上の大統領就任を禁じた下級審の判決を支持し、モラレス氏の大統領選出馬を阻止した。

指名手配されているモラレス氏は度々SNSに声明を投稿。支持者に街頭デモを呼びかけ、「右派の野望」を阻止するよう呼びかけてきた。

2016年に15歳少女との間に子供をもうけたと告発されているモラレス氏は逮捕状を無視して中部コチャバンバ県のチャパレ地方に潜伏中。数千人の支持者が警備しているため、警察も近づくことができずにいる。

モラレス氏はAPのインタビューで、支持者に対し、投票用紙に自身の名前を書いて投票するよう改めて呼びかけた。

決選投票に進むと予想されている右派の2候補は勝利した場合、モラレス氏を速やかに逮捕すると表明。モラレス氏はチャパレ地方の市民に対し、右派帝国の攻撃に備えるよう求めてきた。

またモラレス氏は右派が偽情報を拡散して、自身を犯罪者に仕立てあげたと主張した。

モラレス氏は在任中、天然ガスに依存した経済を構築。その後、大統領の任期上限を廃止し、2019年の選挙で4選を決めたものの、紆余曲折の末、辞任。この際、治安当局によるデモ取り締まりで34人が死亡した。

憲法裁は昨年11月、2023年の裁判所命令を再確認し、「大統領は連続であるか否かにかかわらず、2期以上務めることはできず、3選は認められない」と裁定していた。

モラレス氏は辞任後、国外に逃亡。2020年に帰国した。

現職のアルセ(Luis Arce)大統領は立候補届を提出せず、カスティジョ(Eduardo del Castillo)前内相への支持を表明。モラレス氏の後継者である議会上院のロドリゲス(Andronico Rodriguez)議員も出馬する。

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