ブラジルで米国の制裁めぐる議論続く、銀行の株価押し下げる
トランプ米大統領は盟友のボルソナロ前大統領が「魔女狩り裁判」にかけられているとして、この裁判を打ち切るよう要求している。
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ブラジル銀行は19日、最高裁判所が外国の法律が国内で自動的に適用されることはないと判決を下したことを受け、グローバルな規制に関する「複雑でデリケートな」問題に対処する準備ができていると表明した。
米財務省は先月末、ブラジル最高裁のジモラエス(Alexandre de Moraes)判事が恣意的な逮捕を承認し、言論の自由を制限したとして、制裁を科した。
同省は人権侵害の加害者や腐敗した役人を対象とする「グローバル・マグニツキー人権責任法」を制裁の根拠に、ジモラエス氏に制裁を科したとしている。
ブラジル最高裁は18日、ジモラエス氏に対する制裁に言及せず、「ブラジルの国家機関による承認がない外国の司法判断、法律、行政命令の国内での執行を一時停止する」と裁定した。
この判決はグローバル・マグニツキー人権責任法への対応に苦慮しているブラジルの銀行間で激しい議論を巻き起こした。
この法律はその管轄下にある対象者の資産を凍結し、米国企業に制裁対象者との取引を禁止するものである。
つまり、ジモラエス氏の資産を保有する金融機関はその資産を凍結しなければならず、これに応じない場合は制裁の対象となる可能性がある。
ブラジルの大手金融機関は最高裁の命令に従うか、米国の制裁に従うか迷っている。
ブラジル銀行は声明で、「当行はブラジルの法律、20カ国以上の規制、および金融システムを管理する国際基準を完全に遵守して運営している」と述べたが、ジモラエス氏の資産を凍結するかどうかには言及しなかった。
トランプ(Donald Trump)米大統領は盟友のボルソナロ(Jair Bolsonaro)前大統領が「魔女狩り裁判」にかけられているとして、この裁判を打ち切るよう要求している。
ジモラエス氏は今年3月、ボルソナロ氏を被告人と認定し、公判の開始を決定した。
ボルソナロ氏はこの裁判を政治的動機によるものと批判し、トランプ氏に助けを求めている。