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マドゥロ拘束、米軍の攻撃で24人のベネズエラ治安要員が死亡

作戦は首都カラカスで3日に展開され、マドゥロを連邦捜査局(FBI)や麻薬取締局(DEA)に引き渡すことを目的に行われたものである。
2026年1月6日/米ワシントンDC、トランプ大統領(AP通信)

米軍がベネズエラのマドゥロ(Nicolas Maduro)大統領を拘束するために実施した軍事作戦において、少なくとも24人のベネズエラ治安部隊員が死亡した。ベネズエラ当局が6日、明らかにした。作戦は首都カラカスで3日に展開され、マドゥロを連邦捜査局(FBI)や麻薬取締局(DEA)に引き渡すことを目的に行われたものである。

ベネズエラの検事総長は声明で、治安部隊員のほかにも「多数の公務員と民間人が死亡した」と述べ、検察はこれらの死者を巡る調査を進める意向を表明した。検事総長はこれを「戦争犯罪」と非難しているが、民間人の死者数など、詳細は明らかにしていない。

一方、キューバ政府も同様の作戦で32人のキューバ軍・治安当局者が死亡したと発表。1月5日と6日の2日間、国をあげて喪に服すと宣言した。キューバ側要員は長年にわたりマドゥロの警護に当たっていたとされ、今回の戦闘で命を落としたとされる。

米陸軍の精鋭部隊デルタフォースなど約200人が参加したとされるこの作戦では、米側は死者を出していないと報じられている。米国はマドゥロ夫妻を国内外の麻薬取引とテロ支援の疑いで起訴しており、夫妻は5日、ニューヨーク州の連邦裁判所に出廷し、いずれも無罪を主張した。

作戦後、ロドリゲス(Delcy Eloína Rodríguez Gómez)副大統領が大統領代行に就任したが、その正統性や国際的承認を巡って議論が続いている。ベネズエラ国内ではマドゥロ支持者による抗議デモが発生し、治安当局との衝突が報じられている。

トランプ(Donald Trump)米大統領は作戦成功を強調しつつ、これに対する民主党からの批判を退けた。トランプ氏は6日にワシントンDCで開かれた共和党の政策会議で、バイデン政権下でもマドゥロ逮捕の重要性が認識されていたと述べた。また、連邦議会への事前承認なしに作戦を実施したことについては、国防権限法に基づく行動であり正当だと強調した。

しかし、国内外からは法的・倫理的な問題が指摘されている。国連や欧州諸国の一部指導者は、主権国家に対する一方的な軍事行動は国際法に反すると批判しており、米国内でも議会の一部議員が大統領の権限行使に対する懸念を表明している。世論調査では米国民の間でも評価が分かれており、多くはベネズエラ国民自身がその未来を決定すべきだとの見方を示している。

今回の作戦は、米国が海外で武力を行使した例としては近年稀なものであり、その影響は西半球を中心に地政学的緊張を高める可能性がある。今後のベネズエラ国内の政治情勢や国際社会の対応が注目される。

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