◎ミレイ大統領は先月、労働規則の一部を変更する政令に署名。これにより、試用期間は3カ月から8カ月になり、退職手当は減額、抗議デモに参加した労働者の解雇が可能となった。
アルゼンチン、チェーンソーパフォーマンスを披露するミレイ氏(Getty Images/AFP通信)

アルゼンチン・ブエノスアイレスの控訴裁判所が30日、労働者の解雇を容易にするミレイ(Javier Milei)大統領の規制改革を違憲と裁定した。

控訴裁は労働組合の異議申し立てを受け、今月初旬にミレイ氏が公布した政令の一部を停止するよう命じていた。

地元メディアによると、控訴裁の判事はミレイ氏の規制改革について、「大統領の権限を超えるものであり、議会の承認を得る必要がある」と指摘した。

また判事は「議会の承認を得ずにこのような規制改革を進めることはできず、違憲である」と述べた。

ミレイ政権は判決に上訴することができる。大統領府は上訴するかどうかを明言していない。

ミレイ氏は先月、労働規則の一部を変更する政令に署名。これにより、試用期間は3カ月から8カ月になり、退職手当は減額、抗議デモに参加した労働者の解雇が可能となった。

経済学者であり先月就任したミレイ氏は200%超のインフレに直面する同国の経済を立て直すと公約に掲げ、公的支出を削減し、政府庁舎の数を半減させ、中央銀行を解体し、自国通貨であるアルゼンチン・ペソを米ドルに置き換えると宣言している。

ミレイ氏は就任以来、自国通貨を50%切り下げ、交通とエネルギー関連の補助金を削減。就任前に雇用された5000人以上の国家公務員との契約を更新しないと表明している。

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