SHARE:

アルゼンチン首都でミレイ政権の緊縮財政に抗議するデモ

デモ隊は議会に対し、公立大学と小児病院への予算増額を定めた法案に対するミレイ氏の拒否権を覆すよう要求した。
2025年9月17日/アルゼンチン、首都ブエノスアイレス、ミレイ政権の緊縮財政に抗議するデモ(AP通信)

アルゼンチンの首都ブエノスアイレスで17日、ミレイ(Javier Milei)大統領の緊縮財政に抗議するデモが行われ、数万人が参加した。

デモ隊はミレイ政権に大学と小児医療への資金増額を要求。緊縮政策により、これらの分野は予算削減の影響を受けている。

ミレイ氏と与党・自由前進(LLA)の支持率は低下傾向にあり、汚職スキャンダルの影響により、今月初めのブエノスアイレス州選挙で敗北を喫した。

ミレイ氏は来月、重要な中間選挙を控えている。少数与党は野党が支配する議会で多数派を目指している。

デモ隊は議会に対し、公立大学と小児病院への予算増額を定めた法案に対するミレイ氏の拒否権を覆すよう要求した。

ミレイ氏はこれらの増額が国の財政を悪化させると批判している。

議会下院は17日遅く、ミレイ氏の拒否権を賛成多数で覆した。上院も近日中に採決する予定である。

23年末に就任したミレイ氏は過去の左派政権が残した負債を一掃すると誓い、緊縮財政を推進。手厚い補助金を軒並み削減、物価統制を廃止し、通貨切り下げを含む抜本的な経済改革に着手した。

その結果、インフレ率は200%超から1桁台まで低下。16年ぶりに四半期ベースで財政黒字を達成するなど、多くの経済的成功を収めてきた。

しかし、補助金頼みの生活を送ってきた低所得者層はミレイ氏の激しいショック療法に耐え切れず、生活環境が悪化。貧困率は一時50%を超えた。

同国の25年第2四半期(4~6月)の経済成長率(季節調整済み)は前年同期比6.30%増。3四半期連続でプラス成長となった。

この記事が気に入ったら
フォローしよう
最新情報をお届けします