◎専門家はアルゼンチンの現状を「我慢比べ」と評している。
チェーンソーパフォーマンスを披露するアルゼンチンのミレイ氏(ロイター通信)

国際通貨基金(IMF)は13日、アルゼンチンミレイ(Javier Milei)大統領が推し進める緊縮財政を称賛し、同国に対する次の融資を承認した。

それによると、430億ドルの融資のうち、7億9200万ドルを来月送金する見通し。これには理事会の決裁が必要である。

IMFスタッフはミレイ政権によるコンプライアンス記録の見直しが完了したことを受け、次回融資を承認した。

市場はこの決定に安心感を示したものの、アルゼンチン・ペソ安が改善される見通しは立っていない。

アルゼンチンの年間インフレ率(27.4~28.3)は22年比で287%増となり、世界で最も高い水準にある。

しかし、自由奔放な南米のチェーンソーマンと呼ばれる自由至上主義者のミレイ氏の緊縮財政により、月次インフレ率は20%台に低下。16年ぶりに四半期ベースで財政黒字を達成するなど、多くの経済的成功を収めている。

ミレイ氏は低迷する経済を立て直すため、公務員の人員整理と賃金削減を推進し、公共事業を凍結し、政府庁舎の数を半減させ、中央銀行を解体し、自国通貨であるアルゼンチン・ペソを米ドルに置き換えると宣言している。

IMFによると、補助金の廃止・削減を含む複数の政策が同国の経済を回復基調に乗せたという。

しかし、緊縮財政は物価を欧米の水準にまで押し上げ、人口の大多数を占める低中所得者層の生活を直撃、経済的苦境に拍車をかけている。先週にはミレイ政権に抗議する全国一斉ストライキが行われた。

専門家はアルゼンチンの現状を「我慢比べ」と評している。厳しい緊縮財政に国民が耐えられるかどうかが焦点だ。

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