アルゼンチン中間選挙、どうなるミレイ政権、左派有利か
地元メディアの世論調査によると、左派の野党・ペロン党(正義党)とミレイ氏の与党・自由前進(LLA)の支持率は拮抗している。
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アルゼンチンで26日、中間選挙の投票が始まった。ミレイ(Javier Milei)大統領の緊縮政策が最大の焦点だ。
地元メディアの世論調査によると、左派の野党・ペロン党(正義党)とミレイ氏の与党・自由前進(LLA)の支持率は拮抗している。
ミレイ政権は閣僚の汚職スキャンダル、大規模な緊縮政策に抗議するデモと支持率低下、ブエノスアイレス州議会選での敗北など、厳しい現実に直面している。
アルゼンチン・ペソは過去数週間で急落、最安値を更新した。
国民議会(下院)の2分の1にあたる127議席と上院の3分の1にあたる24議席が改選対象。ペロン党は第1党を維持する可能性が高い。一方、ミレイ氏のLLAは下院37人、上院6人からの上積みを目指している。
ミレイ政権は緊縮財政を擁護し、大統領の拒否権を成立させ、労働改革と税制改革を実施するのに十分な議席を獲得したいと考えている。
掛け金は高くなる一方だ。ミレイ氏が敗北した場合、ペソにさらなる圧力がかかり、通貨切り下げのリスクが高まり、インフレが加速し、これまでの成果が損なわれる可能性がある。
疲れ果てたアルゼンチン国民は、その影響に備え始めている。
トランプ(Donald Trump)米大統領は26日、ミレイ氏が「共産主義者ども」に敗れた場合、アルゼンチンに対する200億ドルの支援パッケージを取り消すと警告した。
アルゼンチン中央銀行は先週、米財務省と200億ドルの通貨スワップ協定を締結した。
ミレイ氏は23年末に就任。過去の左派政権が残した負債を一掃すると誓い、緊縮財政を推進し、手厚い補助金を軒並み削減、物価統制を廃止し、通貨切り下げを含む抜本的な経済改革に着手した。
その結果、インフレ率は200%超から1桁台まで低下。16年ぶりに四半期ベースで財政黒字を達成するなど、多くの経済的成功を収めてきた。
しかし、補助金頼みの生活を送ってきた低所得者層はミレイ氏の激しいショック療法に耐え切れず、生活環境が悪化。貧困率は一時50%を超えた。
