◎ミレイ大統領は公的支出を削減し、政府庁舎の数を半減させ、中央銀行をコナゴナに打ち砕き、自国通貨を米ドルに置き換えると宣言している。
アルゼンチン、チェーンソーパフォーマンスを披露するミレイ氏(Getty Images)

アルゼンチンの首都ブエノスアイレスでミレイ政権の規制緩和と緊縮財政計画に抗議するデモが開かれ、公務員など数千人が参加した。

デモを主催した労働組合は労働者の権利の一部を無効にする政令を差し止めるよう裁判所に求めたが、同裁判所はまだ政令が発効していないとして、この訴えを棄却した。

ミレイ(Javier Milei)大統領が「必要不可欠」と主張する政令は29日に施行される。

左派政権を支持してきた労働者たちは記録的なインフレに対処したいミレイ氏の厳しい政策に深刻な懸念を示している。

建設労組の書記長は地元テレビ局の取材に対し、「私たちは三権分立を尊重し、大統領が憲法に基づいて経済政策を進めると確信している」と語った。

今月10日に就任した無政府資本主義のミレイ氏は公的支出を削減し、政府庁舎の数を半減させ、中央銀行をコナゴナに打ち砕き、自国通貨を米ドルに置き換えると宣言している。

デモ隊は今年採用された5000人以上の公務員を解雇するというミレイ政権の方針に怒りを表明し、「労働者を守れ」とシュプレヒコールを上げた。

ミレイ氏は「国有企業をひとつ残らず民営化する」と宣言している。ただし、これを実行するためには国会の承認が必要であり、ミレイ氏の政党は過半数を保持していない。

AP通信によると、ブエノスアイレス警察は政府庁舎に近づいたデモ隊を解散させるために警棒で数人を殴打したという。

ミレイ氏は公約のひとつとして、左派政権が公布した約300の法律を廃止・修正するとしている。

アルゼンチンのインフレ率は年末までに200%に達すると予想されている。

アルゼンチンはインフレだけでなく記録的な通貨安にも悩まされている。今年4月には通貨の切り下げにより米ドルが大量流出した。

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