◎有権者はフェルナンデス政権の流れをくむマサ経産相か、チェーンソーパフォーマンスで有名になったミレイ氏のどちらかを選ぶことになる。
2023年10月23日/アルゼンチン、大統領選決選投票への意気込みを語るミレイ氏(ロイター通信)

アルゼンチンで23日、大統領選の集計がほぼ完了し、左派候補と右派候補が来月の決選投票に進むことが確実となった。

選挙管理委員会によると、開票率99%時点で、現政権のマサ(Sergio Massa)経産相の得票率が36.7%、トランプ(Donald Trump)前米大統領を敬愛する無政府資本主義者のミレイ(Javier Milei)氏が30%。

マサ氏は首都ブエノスアイレスの集会で演説し、来月の決選投票で必ず勝利すると誓った。

得票率は世論調査とほぼ合致。マサ氏はミレイ氏を5~7%リードしていた。

決選投票は11月19日に行われる予定だ。有権者はフェルナンデス政権の流れをくむマサ氏か、チェーンソーパフォーマンスで有名になったミレイ氏のどちらかを選ぶことになる。

ミレイ氏の暴言、激しいパフォーマンス、そして急進的な提案(公的支出を削減し、政府庁舎の数を半減させ、中央銀行を廃止し、自国通貨を米ドルに置き換えるなど)は有権者の度肝を抜いた。穏健な有権者はミレイ氏を「ミニトランプ」「アナーキスト」などと呼んでいる。

マサ氏は選挙戦の後半、ミレイ氏の提案がすでに苦しい生活を強いられている市民にどのような影響を与えるかに焦点を絞ってメッセージを発信した。

マサ氏は23日の記者会見でミレイ氏の名前を出すことはなかったが、フランシスコ教皇(Pope Francis、アルゼンチン出身)に対する批判など、物議を醸すミレイ氏の発言を批判した。

マサ氏はこう述べている。「結局、世界がアルゼンチンに期待しているのはバランス、合理性、常識だ。私たちの特質やアルゼンチン市民が代表する価値観とは関係のないものがある。政治はゲームではない」

マサ氏は包括的な政府を作ると主張した。

一方、ミレイ氏はラジオのインタビューで、「マサ氏の得票率はこれ以上伸びず、決選投票で勝つのは自分だ」と主張した。

アルゼンチンはフェルナンデス政権の不作為による経済の低迷と140%という記録的なインフレに悩まされている。国連によると、同国の児童の50%以上がまともな食事をとれず、援助団体やNGOの支援に頼っているという。

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