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アルゼンチン大統領、連立政権樹立目指す、中間選挙で勝利、課題も

10月26日の中間選挙ではLLAが議席を伸ばし、左派の野党・ペロン党(正義党)に迫る議席を獲得した。
2025年10月26日/アルゼンチン、首都ブエノスアイレス、ミレイ大統領(ロイター通信)

アルゼンチンのミレイ(Javier Milei)大統領率いる与党・自由前進(LLA)が連立交渉を進めている。

10月26日の中間選挙ではLLAが議席を伸ばし、左派の野党・ペロン党(正義党)に迫る議席を獲得した。

改選対象は国民議会(下院)の2分の1にあたる127議席と上院の3分の1にあたる24議席。LLAの得票率は40.59、左派の野党・ペロン党(正義党)は33.64%であった。

下院におけるLLAの議席は99議席。ペロン党は104議席となった。

この結果、ミレイ氏は他の右派政党の支持を得られれば、改革を推し進めることが可能となった。

ペロン党を含む左派はミレイ政権の緊縮財政と自由市場政策が国内生産を損なっていると主張している。

左派は年金削減や公立大学への資金削減といったミレイ氏の緊縮政策に反対してきた。

地元メディアによると、他の右派や中道右派がLLAと連立を組む可能性は低いとみられる。

ミレイ氏は26日の勝利演説で連立政権の発足に意欲を見せた。

しかし、他の右派政党はミレイ氏の政策に警戒感を示している。

ミレイ氏は23年末に就任。過去の左派政権が残した負債を一掃すると誓い、緊縮財政を推進し、手厚い補助金を軒並み削減、物価統制を廃止し、通貨切り下げを含む抜本的な経済改革に着手した。

その結果、インフレ率は200%超から1桁台まで低下。16年ぶりに四半期ベースで財政黒字を達成するなど、多くの経済的成功を収めてきた。

しかし、補助金頼みの生活を送ってきた低所得者層はミレイ氏の激しいショック療法に耐え切れず、生活環境が悪化。貧困率は一時50%を超えた。

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