◎下院は法案の大筋を認めたものの、一部の議員が国営企業の民営化や立法権の一部を大統領に委譲する条文に難色を示している。
2024年2月1日/アルゼンチン、首都ブエノスアイレス、ミレイ政権の経済対策に抗議するデモ(ロイター通信)

アルゼンチン下院(定数257)は2日、ミレイ(Javier Milei)大統領が提案した規制改革法案を大筋で承認した。

しかし、経済、行政、環境などを含む300を超える条項の詳細と問題点に関する交渉は終わっておらず、採決の見通しは立っていない。

下院は法案の審議を開始することで合意。2月6日から各条項の審議を始める予定だ。

ミレイ氏の右派政党は国会の第3勢力に過ぎず、法案を成立させるためには他政党の支持を得なければならない。

ミレイ氏は法案の審議開始とそれを支持した他政党の議員に謝意を示した。

下院は法案の大筋を認めたものの、一部の議員が国営企業の民営化や立法権の一部を大統領に委譲する条文に難色を示している。

この法案は経済に対する国家統制の解除、行政、医療、教育分野の改革、公共サービスや公共料金の値上げなどを記している。

このイニシアチブを押し通すためには他政党の協力・支持が必要不可欠であり、ミレイ氏の交渉力が試されることになる。

昨年12月に就任した自由至上主義者のミレイ氏は200%超のインフレに直面する同国の経済を立て直すと公約に掲げ、公的支出を削減し、政府庁舎の数を半減させ、中央銀行を解体し、自国通貨であるアルゼンチン・ペソを米ドルに置き換えると宣言している。

ミレイ氏は就任以来、自国通貨を50%切り下げ、交通とエネルギー関連の補助金を削減。就任前に雇用された5000人以上の国家公務員との契約を更新しないと表明した。

労働組合はミレイ氏を「ミニトランプ」「労働者の敵」と非難し、大規模な抗議デモとストを決行。首都ブエノスアイレスの大統領府と国会周辺ではデモ隊と機動隊がにらみ合いを続けている。

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