アルゼンチン25年5月インフレ率1.5%、5年ぶりの低水準に
5月のインフレ率はパンデミックによるロックダウンで経済の大部分が麻痺した2020年5月以来、最も低い水準となった。
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アルゼンチンの統計機関INDECが12日、先月の消費者物価指数(CPI)を公表した。
それによると、25年5月のインフレ率は前年同月比1.5%増、市場の予想を上回り、過去5年間で最低水準に鈍化した。
ロイター通信のアナリストは2.0%と予想していた。
アルゼンチンの経済は300%に達したインフレ率の低下と財政安定化を目的としたミレイ(Javier Milei)大統領の厳しい緊縮政策によって大きな打撃を受けている。
ミレイ氏は過去の左派政権が残した負債を一掃すると誓い、緊縮財政を推進。手厚い補助金を軒並み削減、物価統制を廃止し、通貨切り下げを含む抜本的な経済改革に着手した。
その結果、インフレ率は1桁台まで低下。16年ぶりに四半期ベースで財政黒字を達成するなど、多くの経済的成功を収めてきた。
しかし、補助金頼みの生活を送ってきた低所得者層はミレイ氏の激しいショック療法に耐え切れず、生活環境が悪化。貧困率は一時50%を超えた。
5月のインフレ率はパンデミックによるロックダウンで経済の大部分が麻痺した2020年5月以来、最も低い水準となった。
ミレイ政権の閣僚はINDECの発表を受け、政府の緊縮政策と支出削減が機能している証拠であると称賛した。
財務省はX(旧ツイッター)への投稿で、「すべてが計画通り進んでいる」と書いた。
24年6月~25年5月までのインフレ率は前年比43.5%増となり、前月の47.3%を下回った。
世界銀行と国際通貨基金(IMF)はミレイ政権の緊縮財政を評価している。