◎昨年の消費者物価指数(CPI)は22年比で211.4%増。12月は25.5%で11月の12.8%から上昇したものの、政府が予想していた30%は下回った。
アルゼンチン・ペソ(Getty Images)

南米アルゼンチンの2023年の消費者物価指数(CPI)が200%を超え、過去32年で最高となった。中央政府の統計機関が11日、明らかにした。

それによると、昨年のインフレ率は22年比で211.4%増。12月は25.5%で11月の12.8%から上昇したものの、政府が予想していた30%は下回った。

先月就任したミレイ(Javier Milei)大統領はこのデータが発表される前に放送されたインタビューで、「12月のインフレ率が予想を下回れば、良い兆候だと思う」と述べた。

ミレイ氏は地元ラジオ局の取材に対し、「25%を下回れば、快挙だと言っていい」と主張した。

ミレイ氏は就任演説でハイパーインフレを食い止めることを目的とした痛みを伴う計画を発表。「この措置により、しばらくは経済活動、雇用、実質賃金、貧困層や生活困窮者の数に悪影響を及ぼすだろう」と警告した。

政府の統計によると、人口の約40%が貧困状態にあると推定されている。

ミレイ氏はインタビューの中で、「政策の成果が出始め、経済が安定すれば、ドル化に向けた取り組みを開始する」と語った。

ミレイ氏は公的支出を削減し、政府庁舎の数を半減させ、中央銀行を解体し、自国通貨であるアルゼンチン・ペソを米ドルに置き換えると宣言している。

ブエノスアイレスなどでは昨年採用された5000人以上の公務員を解雇するというミレイ氏の政策に反対する抗議デモが続いている。

政府によると、インフレを加速させる最大の要因である食品とノンアルコール飲料価格は先月、平均29.7%上昇した。その他の製品も約30%、医薬品は平均40%上昇している。

アフィリエイト広告
スポンサーリンク