▽調査対象となったアナリスト15人の第4四半期GDP伸び率予想の最小値は1.1%、最大は2.2%と幅があった。
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アルゼンチンの2024年第4四半期(10~12月)GDP成長率がプラスに転じ、不況から脱却する見通しが高まっている。
ロイター通信が17日に公表したアナリスト調査によると、24年第4四半期GDP伸び率は前年同月比プラス1.7%。6四半期連続マイナスに終止符を打つとみられる。
VDCコンサルタンツのエコノミストは声明で、「6四半期連続の縮小後、明るい兆しが見えてきた」と述べた。
アルゼンチンの経済はインフレ率の低下と財政安定化を目的としたミレイ(Javier Milei)大統領の厳しい緊縮政策によって大きな打撃を受けている。
ミレイ氏は過去の左派政権が残した負債を一掃すると誓い、緊縮財政を推進。手厚い補助金を軒並み削減、物価統制を廃止し、通貨切り下げを含む経済改革に着手した。
その結果、インフレ率は1桁台まで低下。16年ぶりに四半期ベースで財政黒字を達成するなど、多くの経済的成功を収めてきた。
しかし、補助金頼みの生活を送ってきた低所得者層はミレイ氏の激しいショック療法に耐え切れず、生活環境が悪化。貧困率は50%を超えた。
ロイターによると、アルゼンチンの最近の財政黒字と貿易黒字、インフレ見通しの改善が国内外でのリスクはあるものの、明るい見通しを後押ししているという。
調査対象となったアナリスト15人の第4四半期GDP伸び率予想の最小値は1.1%、最大は2.2%と幅があった。
しかし、2024年通年のGDPは以前の予想より低いレベルとはいえ、マイナスになるというのがアナリストの一致した見方である。
最近中央銀行が公表したアナリスト調査は2025年の経済成長率をプラス4.8%と予想している。
アルゼンチン国家統計センサス局(INDEC)は19日に24年第4四半期データを公表する。