◎アルゼンチンは通貨安と100%を超えるインフレに悩まされている。先月末には通貨の切り下げにより、米ドルが大量流出した。
アルゼンチンのフェルナンデス(Alberto Fernández)大統領が2日、ブラジルの首都ブラジリアでダシルバ(Luiz Inácio Lula da Silva)大統領と会談した。
アルゼンチンは通貨安と100%を超えるインフレに悩まされている。先月末には通貨の切り下げにより、米ドルが大量流出した。
ブラジル大統領府の報道官は声明で、「ダシルバ大統領は国内企業にアルゼンチンへの投資を促し、ドルの流出を抑えるよう提案するつもりだ」と述べている。
アルゼンチン大統領府は声明で、「ブラジル政府と貿易拡充を含む両国の関係深化について協議している」と述べたが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。
ブラジルはアルゼンチンの最大の貿易相手国であり、ドル不足に悩むアルゼンチンの輸出を長年支えてきた。
アルゼンチンは中国からの輸入品を人民元で処理できる協定を結んでいる。
ダシルバ氏は先月の訪中で中国と新たな貿易協定を結び、国際貿易におけるドルの優位性と国際通貨基金(IMF)を非難した。
アルゼンチン政府は現在、フェルナンデス氏の前任であるマクリ(Mauricio Macri)前大統領が負った債務440億ドルを再編するためにIMFと2022年に結んだ協定の再交渉を行っている。
フェルナンデス政権の報道官はブラジルと独自の貿易協定を結び、米ドル依存から脱却する可能性について、メディアの質問を拒否した。
フェルナンデス氏は先月、今年10月の総選挙で再選を目指さないと表明した。
ダシルバ氏とフェルナンデス氏は経済問題に加え、南米統合という広範な課題の一環として、南米諸国連合に再加盟する可能性についても協議するとみられる。