アルゼンチン連邦裁判所、大統領府で盗聴された音声記録の公開差し止め
地元メディアは2週間前、ミレイ政権の障害者支援機関を率いていたスパニョーロ氏とみられる人物が機関内の賄賂のやり取りについて議論する音声データを公開した。
と妹のカリーナ・ミレイ首席補佐官(ロイター通信).jpg)
アルゼンチンの連邦裁判所が1日、大統領官邸内で録音されたとみられる音声記録のメディア公開を差し止めた。
大統領府の報道官はX(旧ツイッター)に声明を投稿。大統領府内で盗聴されたみられる音声記録をメディアやSNSプラットフォームを通じて配布することを禁じる裁判所命令を投稿した。
ミレイ政権はこれを選挙運動の最中に国家を不安定化させる違法な諜報活動と糾弾。連邦裁判所に告訴していた。
地元メディアは2週間前、ミレイ政権の障害者支援機関を率いていたスパニョーロ(Diego Spagnuolo)氏とみられる人物が機関内の賄賂のやり取りについて議論する音声データを公開した。このデータがいつ、どこで記録されたかは分かっていない。
スパニョーロ氏とみられる人物はミレイ(Javier Milei)大統領の妹であるカリーナ(Karina Milei)首席補佐官が賄賂を受け取っていると示唆し、「この件で大統領と話し合ったが、何も解決しなかった」と述べている。
ミレイ氏はSNSに声明を投稿。懲役6年の実刑判決が確定したフェルナンデス(Cristina Fernández)前副大統領(自宅軟禁中)の政党と支持者が違法な諜報活動を行い、国家転覆を企てていると主張した。
大統領府の報道官は1日の声明で、「裁判所が差し止めを命じた音声記録には首席補佐官の私的な会話が含まれていた」と述べた。
これがどのように録音されたかは分かっていない。
地元紙によると、この音声記録は複数のストリーミングプラットフォームで公開されているという。
盗聴された音声記録を裁判などの証拠として使用できるかどうかは国や地域の法律によって異なるが、アルゼンチンの刑法はそのような音声記録について、「合法的に収集された証拠でない限り、証拠として認められない」としている。
アルゼンチンで最も人口の多いブエノスアイレス州では9月7日に州議会選挙が、10月には全国で連邦議会の中間選挙も行われる。