▽同国の経済はインフレ率の低下と財政安定化を目的としたミレイ大統領の厳しい緊縮政策によって大きな打撃を受けている。
アルゼンチン中央銀行は30日、消費者物価指数(CPI)が下降線をたどっていることから、主要政策金利を3ポイント引き下げ、29%に設定したと発表した。
アナリストたちはインフレ率が大幅に下がったことと、金融当局が毎月の通貨切り下げペースを減速させていることから、2~3ポイントの利下げを予想していた。
来週からクローリング・ペッグ(定期的な切り下げ)はこれまでの月2%から月1%に減速する。
同国の経済はインフレ率の低下と財政安定化を目的としたミレイ(Javier Milei)大統領の厳しい緊縮政策によって大きな打撃を受けている。
ミレイ氏は過去の左派政権が残した負債を一掃すると誓い、緊縮財政を推進。手厚い補助金を軒並み削減、物価統制を廃止し、通貨切り下げを含む抜本的な経済改革に着手した。
その結果、インフレ率は1桁台まで低下。16年ぶりに四半期ベースで財政黒字を達成するなど、多くの経済的成功を収めてきた。
しかし、補助金頼みの生活を送ってきた低所得者層はミレイ氏の激しいショック療法に耐え切れず、生活環境が悪化。貧困率の激増につながった。
24年12月のインフレ率は前年同月比2.7%増。24年1~12月のインフレ率は118%となり、ピーク時の半分以下まで低下した。