アルゼンチン2026年2月インフレ率2.9%、高止まり続く
アルゼンチンは長年にわたり高インフレに苦しんできた。
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アルゼンチン政府の統計機関INDECが12日に公表した最新の物価統計によると、2026年2月の消費者物価指数(CPI)は前月比で2.9%上昇し、前月と横ばいで推移した。これは市場予想の2.7%を上回り、依然として強いインフレ圧力が続いていることを示している。また、前年同月比のインフレ率は33.1%に達し、1月の32.4%から上昇、市場予想の32.7%を上回った。
物価上昇は家計に直結する項目で顕著で、住宅費や光熱費が6.8%と大きく伸びたほか、食品や非アルコール飲料も3.3%上昇した。衣料品の価格はほぼ横ばいだったが、酒類やたばこはやや上昇している。こうした動きは生活コスト全般の高止まりを浮き彫りにしており、インフレ抑制の難しさを改めて示した。
アルゼンチンは長年にわたり高インフレに苦しんできた。2023年末には年間インフレ率が200%を超え、一時300%近くに達するなど、世界的に見ても極めて高い水準が続いていた。ミレイ(Javier Milei)大統領は2023年12月に就任して以降、インフレ抑制を最優先課題と位置付け、厳格な金融政策や為替安定策を進めてきたが、2月時点でも月次・年次のインフレ率は高止まりしている。
ミレイ政権は今年8月までにインフレ率をゼロにするという大胆な目標を掲げているが、今回の統計はその達成が容易ではない現状を示している。政府当局者やエコノミストは、インフレ率の鈍化傾向は一部で見られるものの、まだ十分とは言えず、生活必需品やサービス価格の上昇が家庭の購買力を圧迫していると分析している。
一方、中央銀行が実施した市場期待調査(REM)では、専門家の多くがインフレは緩やかに低下すると予想しているが、年末のインフレ予想は1月時点からやや上方修正され、将来の見通しに不確実性が残る結果となっている。調査ではエネルギー価格の変動や国際市場の影響が引き続きインフレの重荷になる可能性が指摘されている。
アルゼンチン経済はインフレだけでなく、為替市場や財政赤字、貧困率の高さなど複合的な課題を抱えている。高インフレは賃金の実質価値を押し下げ、国民生活を圧迫するだけでなく、企業の投資判断や消費者心理にも悪影響を及ぼしてきた。国内では価格上昇を抑えるための追加的な政策措置を求める声が強まっている。
国際的には、アルゼンチン政府が米国などと経済協議を重ね、貿易・投資関係の強化を図る動きも続いているが、インフレ問題の根本的な解決には時間を要するとみられる。エネルギー市場の不安定化や世界的なインフレ圧力の高まりもアルゼンチンの物価動向に影響を与える可能性があり、政策当局は対策の継続と見直しを迫られている。 今後数カ月のインフレ動向は、政治・経済双方の観点から注目される。
