アルゼンチン・フェルナンデス元大統領が虫垂炎手術、回復中
フェルナンデス氏はアルゼンチンで長年にわたり政治の中心人物として活動してきた。
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アルゼンチンのフェルナンデス(Cristina Fernández)元大統領が虫垂炎(いわゆる盲腸)に伴う局所性腹膜炎の疑いで首都ブエノスアイレスの医療機関に入院し、腹腔鏡手術を受けた。現地メディアが21日に報じた。
それによると、同氏は手術を無事に終え、合併症なく回復に向かっている。
フェルナンデス氏はアルゼンチンで長年にわたり政治の中心人物として活動してきた。2007年から2015年まで2期連続で大統領を務め、その後も上院議員や副大統領として政界で影響力を保ってきたが、今年6月に汚職事件で有罪判決が確定し、自宅軟禁状態にある。本人は一貫して罪を否認している。
手術は週末に行われ、病院側は「術後の経過は良好で、現在のところ合併症は見られない」と説明している。腹腔鏡手術は腹部に小さな切開を入れて行う低侵襲手術であり、一般的には回復が比較的早いとされるが、局所性腹膜炎を伴うケースでは注意深い管理が求められる。
フェルナンデ氏の手術と入院を受け、21日午前には病院の周辺に支持者が集まった。支持者の一人は「私たちは彼女のそばにいる。彼女が自由になり、家に戻り、また通りに立つ日を望んでいる」と語り、フェルナンデス氏への連帯と早期釈放を願う声を上げた。こうした支持者の行動は彼女が依然として国内政治に影響力を持っていることを示している。
フェルナンデス氏は非常に分極化した人物であり、その支持者と批判者の間で意見が大きく分かれている。彼女の長年の政治活動は支持基盤からの強い支持を受ける一方で、汚職や権力の私的利用を巡る批判も根強い。今回の手術に対しても、支持者は彼女の健康と安全を願い、政治的な立場を問わず国民の一部からは回復を祈る声が上がっている。
フェルナンデス氏は11月から別件の贈収賄事件についても裁判に戻っており、最終的な判決が出るまでには数年を要する可能性があるとみられている。これらの裁判はアルゼンチン国内で大きな政治的議論を巻き起こしており、彼女の将来とアルゼンチンの政治情勢に影響を与える可能性がある。
今回の手術と回復が政治活動や裁判手続きにどのような影響を及ぼすかはまだ明らかではないが、関係者や支持者の注目は今後も高いままである。
