アルゼンチンと米国が自由貿易協定に調印
この協定は昨年11月に基本枠組みが発表されていたもので、アルゼンチン側が牛肉や乳製品、医薬品、化学品、機械類、医療機器、自動車など幅広い米国製品の輸入規制を緩和することを主要な柱としている。
とアルゼンチンのミレイ大統領(ロイター通信).jpg)
アルゼンチンと米政府は5日、両国間で包括的な自由貿易協定に署名したと発表した。この協定は長年にわたって保護主義的な経済政策を維持してきたアルゼンチンにとって大きな転換点となるとともに、極めて親米的な外交路線を進めるミレイ政権の成果と位置づけられている。
この協定は昨年11月に基本枠組みが発表されていたもので、アルゼンチン側が牛肉や乳製品、医薬品、化学品、機械類、医療機器、自動車など幅広い米国製品の輸入規制を緩和することを主要な柱としている。これまで高い関税で保護されてきた国内産業は競争激化への懸念を示しているが、ミレイ政権は「競争力強化と輸出拡大への道」としている。
米側はアルゼンチンからの輸入品のうち「特定の天然資源」や医薬品原料などに対する相互関税を撤廃する方針を示している。協定の詳細な文言は今後詰められる見込みであるが、両国政府はこれまでの交渉を通じて互いの輸出入条件を幅広く見直すことで合意した。
この貿易協定はミレイ(Javier Milei)大統領にとって大きな政治的勝利となる。ミレイ政権は極端な自由市場改革を掲げ、長年の経済混乱を克服するために対外開放路線を加速させてきた。ミレイ氏は保護主義的な国内経済を見直し、外国資本と競争を受け入れる方向へ政策をシフトしているが、その象徴的な成果として今回の協定締結が評価されている。
また、この協定締結はトランプ(nald Trump)大統領との緊密な関係を映し出すものでもある。米国は昨年、アルゼンチンに対して200億ドル規模の信用枠を提供し、財政・金融の安定化を支援した。この介入は市場の混乱を一時的に収める効果をもたらしたが、米国内では同政策に対する批判も根強い。特に一部の民主党議員は米国の税金がアルゼンチンのような重要度の低い国への支援に使われるべきではないと強く批判している。
米議会内でも、特に上院銀行委員会の有力議員は今回の支援策の継続を疑問視し、ベッセント(Scott Bessent)財務長官に説明を求める書簡を送付するなど、議論は続いている。トランプ政権は自由貿易協定を通じて南米地域での影響力拡大を狙うとともに、米国企業の輸出機会を拡大し、消費者物価の安定化にもつなげたい考えだ。
アルゼンチン国内では、農業団体や製造業者など伝統的保護主義層の一部から反発の声も上がっており、今後の実施段階でどのような調整が行われるかが注目される。政府は交渉を続け、各業界との対話を重ねながら協定の具体化を進める方針だ。
