◎フジモリ氏が最後に公の場に姿を現したのは今年9月4日、車椅子で私立病院を退院した時だった。
南米ペルーのフジモリ(Alberto Fujimori)元大統領が亡くなっていたことが明らかになった。娘のケイコ・フジモリ(Keiko Fujimori)氏が11日、X(旧ツイッター)への投稿で明らかにした。
フジモリ氏は1991年と1992年に「反テロリスト作戦」を指揮し、子供を含む反対派勢力25人を殺害。2009年に「人道に対する罪」などで懲役25年を言い渡された。
同国の憲法裁判所は昨年末、フジモリ氏を即時釈放するよう命じた。
フジモリ氏は今年5月、舌に新たな腫瘍ができ、検査でガンと診断されたと報告。7月には股関節の手術を受けたと明らかにしていた。
ケイコ氏によると、フジモリ氏は首都リマで亡くなったという。
ケイコ氏は今年7月、フジモリ氏が2026年の大統領選に出馬する意向を示していると明らかにしていた。
ケイコ氏は「ガンとの長い闘いの末、私たちの父、アルベルト・フジモリは旅立ちました...」とXに投稿した。
フジモリ氏は1938年7月28日生まれ。移民の両親はリマのダウンタウンで仕立て屋を開くまで綿花を摘んでいた。
1956年に農業工学の学位を取得後、フランスと米国に留学。1972年にウィスコンシン大学大学院で数学の学位を取得した。
1984年にはリマの農業大学の学長に就任し、6年後に政治家としての経歴を持たぬまま大統領選に出馬。腐敗し信用を失った政治家階級に代わるクリーンな存在として自らを謳った。
1990年選挙の1ヶ月前には6%だった支持率を急上昇させ、第1回投票で9人中2位となり決戦投票に進出。初当選を果たした。
フジモリ氏が最後に公の場に姿を現したのは今年9月4日、車椅子で私立病院を退院した時だった。
フジモリ氏は報道陣にCTスキャンを受けたことを告げ、大統領選への出馬を目指すのかと尋ねられると、微笑みながら「そのうち分かるよ」と答えた。