ブラジル・リオでジェンダー平等に焦点当てたサーカス
ブラジルにおけるジェンダー平等は依然として大きな課題であり、特に女性に対するジェンダー暴力が深刻な社会問題となっている。
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ブラジル・リオデジャネイロ州のビーチで18日、ジェンダー平等と暴力に焦点を当てたサーカスが行われた。
6人の女性と2人の男性が「一人では花びら、共にあればバラ」と題した作品を初披露。背景にはリオの象徴であるキリスト像とシュガーローフ山が映し出された。
冒頭、ピンクのボディスーツを着た女性が威風堂々と竹馬で闊歩。男性パフォーマーがこの女性を地面に叩きつけた。
女性は身体の強さを探求することで自らの身体を取り戻し、他の女性たちとの絆から勇気を得る。終盤、女性はさらに高い竹馬で戻ってきた。
ブラジルにおけるジェンダー平等は依然として大きな課題であり、特に女性に対するジェンダー暴力が深刻な社会問題となっている。
多くの女性が家庭内暴力、性的暴力、フェミサイド(女性殺害)に直面しており、国連の調査でもブラジルは女性にとって危険な国の一つとされている。
政府は2006年に刑法を改正。家庭内暴力の防止と被害者保護を強化したが、実際の運用や司法の対応には地域差や限界がある。また、女性の政治参加や経済的自立も不十分で、管理職や議会における女性比率は低い。
一方で、LGBTQ+コミュニティへの差別や暴力も根強く、特にトランスジェンダーの人々は殺害率が高い。教育や啓発活動を通じた意識改革が進められているものの、保守的な価値観や宗教的影響もあり、社会全体での変化には時間を要している。
ジェンダー平等の実現には、法制度の強化だけでなく、教育、福祉、雇用の各分野における総合的なアプローチが求められている。