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ベネズエラ政府、80人の政治犯を釈放、人権団体が発表

フォロ・ペナルは長年にわたり、ベネズエラ国内で政治的理由により不当に拘禁されている人物の把握と支援を行ってきた。
2024年8月11日/ベネズエラ、首都カラカス、警察の取り締まりで死亡したデモ参加者を追悼する集会(Getty Images)

ベネズエラで少なくとも80人の政治犯とみなされる受刑者が釈放された。首都カラカスに拠点を置く人権団体が25日、明らかにした。それによると、全国の複数の刑務所で釈放が確認されたという。

人権団体「フォロ・ペナル(Foro Penal)」はX(旧ツイッター)への投稿で、「この釈放は現在進行中の和解プロセスの一環であり、今後も追加の釈放が見込まれる」と説明した。

ロドリゲス(Delcy Eloína Rodríguez Gómez)暫定大統領は先週末、計626人が政治犯が釈放されたと発表したが、具体的な時期については明らかにしていなかった。フォロ・ペナルが釈放を確認したのは1月8日以降で156人にとどまっている。

ロドリゲス氏は国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)のターク(Volker Turk)高等弁務官と電話会談を行い、これまでに釈放された人物のリストの検証を依頼する予定だと明らかにしている。

フォロ・ペナルは長年にわたり、ベネズエラ国内で政治的理由により不当に拘禁されている人物の把握と支援を行ってきた。国際的な人権監視団体は、ベネズエラには依然として数千人規模の政治犯が収監されていると推定しており、釈放が一部にとどまっているとの批判も根強い。こうした釈放は人権団体や野党勢力、国際社会から長く求められてきた課題である。

今回の釈放の背景には、米国との関係改善や国際的な圧力が影響しているとの分析もある。ロドリゲス暫定政権は米国に対し、石油販売を含む経済的協力を進め、政治犯の解放はその一環と位置付けられている。また米政府は一連の釈放を評価する姿勢を示している。

一方で、釈放の進捗を巡る透明性の欠如や統計の不一致も懸念材料となっている。政府が発表する数字と人権団体が確認する人数との乖離は、釈放対象者が本当に政治犯に限定されているのか、あるいは釈放が広範な人権改善に繋がるのかについて、判断を難しくしている。国連やEUなどはこの点について詳細な情報の公開を求めている。

ベネズエラは昨年以降、政治的緊張と経済危機が続く中で、国内政治の安定化と国際社会との関係再構築を図る動きを強めている。政治犯釈放はその象徴的な政策の一つとして注目されているが、依然として多くの課題が残る中で、今後の進展が国際的な関心を集める見通しである。

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