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心臓発作は男性特有の病気ではない、女性もリスクを理解しよう

心臓発作の予防には生活習慣の改善が不可欠だ。
心臓発作のイメージ(Getty Images)

米国では心血管疾患(心臓病、脳卒中、心不全、心房細動などを含む)が多くの女性に影響を与え、年間で5人に1人の女性がこれにより死亡している。心臓発作だけでも約3万7000人の女性が命を落とし、心血管疾患は女性の最大の死因となっていることが専門家の分析で示されている。こうした状況は「心臓発作は主に男性の病気」という誤解が根強いことと対照的だ。

メンフィス(テネシー州)在住のロリ・セピッチ(Lori Sepich、64歳)の体験は多くの女性に共通するリスクと症状の現実を浮き彫りにしている。喫煙歴があり、血圧薬を時折服用し忘れることもあったセピッチさんは、心臓発作は自分とは無縁と思っていたという。しかし、13年の間に2度の心臓発作を経験した。最初の発作では胸の圧迫感や吐き気、腕への痛みを感じながらも症状を無視し、家族行事や教会に出席した後で病院に行ったため、治療が遅れた。後にステントを6本挿入し1週間入院したが、この体験を通じて自身の健康管理を見直し、現在は血圧をコントロールし、禁煙し、ほぼ毎日運動をしているという。セピッチさんは女性自身が心臓発作のリスクと症状を認識し、早期対応することの重要性を強調している。

心臓発作の予防には生活習慣の改善が不可欠だ。米心臓協会(AHA)は「Life’s Essential 8」と呼ばれる8つの基本的な健康行動を提唱しており、健康的な食事、禁煙、十分な睡眠、身体活動、コレステロール管理、体重・血糖・血圧の管理を奨励している。定期的な健康診断を受け、家族歴を医師と話し合うことも専門家が勧める予防策だ。また、女性特有のリスク要因として、ループスやリウマチなどの自己免疫疾患、妊娠中の高血圧や糖尿病、流産や死産の既往、閉経期のほてりや夜間の発汗といった症状が心血管リスクの増加に関連していることが指摘される。

心臓発作の症状は映画で描かれるような典型的なものだけではなく、女性ではより多様で微妙なケースが多い。胸の痛みや不快感は一般的な症状だが、背中の痛み、息切れ、冷や汗、極度の疲労、吐き気、めまい、不安感、あごの痛み、指先のしびれなどが現れることもある。これらは男性と比べて頻度が高く、症状が緩やかに現れて見過ごされがちだという。専門家は症状に少しでも心臓発作の可能性を感じた場合には直ちに救急を呼ぶべきだと強調している。救急車で病院に搬送されることで、適切な治療が迅速に行われる可能性が高まるためだ。救急治療の遅れは心筋へのダメージを増大させ、死亡リスクを高める。

専門家は心血管疾患に関する教育や認識を高めることが重要だと訴える。女性は自身の心臓の健康リスクを過小評価しがちで、典型的でない症状を見逃すことが多い。また、自己免疫疾患や産褥期の健康問題、閉経期の身体変化など、女性特有の要因が長期的な心血管リスクに影響することも理解が必要だ。積極的な健康管理と症状の早期発見・対応が、命を救う鍵となる。

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