米ホワイトハウス「イランは数週間で核兵器を製造できる」

イランは長年、核開発を否定してきた。
2025年6月19日/米ワシントンDCホワイトハウス、レビット報道官(AP通信)

ホワイトハウスのレビット(Karoline Leavitt)報道官は19日、イランがその気になれば、数週間以内に核兵器を製造できると断言した。

レビット氏は記者会見で、最高指導者のハメネイ(Ali Khamenei)師が核兵器の製造を許可すれば、数週間で完成するという見通しを示した。

またレビット氏は「イランが核兵器を製造するかどうかは最高指導者次第である」と述べた。

さらに、「その製造を完了するには数週間かかり、イスラエルだけでなく米国や世界全体に脅威をもたらす」と続けた。

国際原子力機関(IAEA)によると、イランは5月時点で60%の濃縮ウランを408.6キログラム保有している。

<ウラン(U-235)の濃縮度>
▽0.7%:標準
▽2~5%:原子炉燃料(軽水炉用)
▽3.67%以下:イラン核合意の規定値
▽20%以上:高濃縮ウラン
▽90%以上:核兵器用

イランは長年、核開発を否定してきた。

イスラエルは今回先制攻撃に踏み切った理由について、▽イランが核兵器保有を推進していること▽数千発の弾道ミサイルを保持していること▽中東各地の代理勢力への武器と資金の提供を挙げ、これらの脅威を取り除くことと説明している。

イランが実用可能な核兵器の開発にどれほど近づいているかは対立の核心である一方、多くの専門家が90%超のウランを濃縮したとしても、核兵器の開発には1年から2年はかかると指摘している。

米国のブリンケン(Antony Blinken)前国務長官は24年7月、イランが核兵器に必要な90%のウランを濃縮するのに1~2週間かかるという見方を示していた。

もしイランが兵器級ウランを十分に生産できたとしても、ほとんどの専門家が実際に核弾頭を製造するには早くても1年かかると見積もっている。

ギャバード(Tulsi Gabbard)国家情報長官は3月、諜報機関の報告書を引用し、「イランは核弾頭を製造しておらず、最高指導者はまだ核弾頭の製造を許可していないと結論付けた」と述べていた。

トランプ(Donald Trump)大統領は今週、ギャバード氏の報告について尋ねられた際、「当時の報告は気にしない。イランはとても近づいていたと思う」と述べ、イランが前進していると強調した。

ギャバードはその後、自分とトランプ氏は同じ考えを持っていると強調。「イランは核弾頭に近づいている」とし、当時の発言は誤解されていると主張した。

またギャバード氏は「諜報機関はイランの濃縮ウラン備蓄が最高レベルにあり、核兵器を持たない国としては前例のない規模になっている評価した」と述べた。

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