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米民主党とホワイトハウスが予算案で合意、政府閉鎖回避へ

背景には、昨今のミネソタ州ミネアポリスでの射殺事件などを契機に、連邦の移民執行機関への批判が強まっていることがある。
2026年1月29日/米ワシントンDC連邦議会、民主党のシューマー上院議員(AP通信)

民主党およびホワイトハウスは1月29日、部分的な政府閉鎖に陥るのを回避するため、暫定的な歳出合意に達した。両者は対立していた国土安全保障省(DHS) の予算を本体の歳出法案から切り離し、2週間分の予算を個別に確保することで合意した。これにより、政府閉鎖を回避する見通しが立った。

今回の合意はトランプ(Donald Trump)大統領と民主党のシューマー(Chuck Schumer)上院院内総務らの間で行われた交渉の結果であり、政府の主要部門の予算を維持しつつ、移民執行政策に関する議論の時間を確保することを目的としている。特に移民・国境管理を担う税関・国境警備局(CBP)や移民税関捜査局(ICE)に対し、民主党側は捜査・執行活動の透明性を高める改革を要求してきた。要求内容には、ICE捜査官のボディカメラ装着義務付けや身分表示の徹底、令状要件の厳格化、巡回パトロールの制限などが含まれる。民主党はこれらの改革を実現しない限り、予算に賛成しない姿勢を示していた。

背景には、昨今のミネソタ州ミネアポリスでの射殺事件などを契機に、連邦の移民執行機関への批判が強まっていることがある。この事件を受けて民主党内部では、従来以上に統一した要求が形成されており、DHSの予算を交渉の焦点とする動きが強まっていた。こうした中での合意成立は、民主党が要求事項をめぐる議論時間を確保しつつ、政府機能の停止を避ける現実的な妥協点と位置づけられている。

合意の内容では、DHSの暫定的な予算措置(つなぎ予算)を2週間実施する一方で、他の連邦機関やプログラムの予算は既存の歳出法案に基づいて継続される。この措置により、当面の政府閉鎖は回避される見込みだが、 最終的な歳出法案の承認には両院の議決が必要であり、特に下院では共和党内の意見が分かれているため、今後の手続きに不透明感が残る。共和党のジョンソン(Mike Johnson)下院議長は歳出パッケージ全体の再評価を求める保守派の声に対応しつつ、早期の採決実施を目指す意向を示している。

DHSをめぐる合意により、本体予算およびつなぎ予算案は上院で採決・可決される見通し、議会全体での承認が次の焦点となる。民主党は政府機能を維持しつつ移民執行政策の改革を追求する姿勢を強調しており、今後の協議でも妥協点の模索が続く見込みである。

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