乳房セルフアウェアネスについて知っておくべきこと
乳房セルフアウェアネスでは「いつもと違う変化」に気づくことが目的であり、特定の手順や日程に縛られない。
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乳がん早期発見の取り組みとして近年注目されている「乳房セルフアウェアネス(breast self-awareness:乳房への自身の気づき)」は、従来の月例の自己検査(セルフチェック)とは異なり、日常生活の中で乳房の「見た目や触れた感触」を普段から把握しておく柔軟なアプローチだ。医療専門家はこれを定期的なマンモグラム検査などの検診と併せて実践することが重要だと指摘している。
かつては多くの医師が乳房自己検査を推奨していたが、米国癌学会(ACS)は約20年前に平均的なリスクの人々に対してこの検査を推奨しなくなった。研究では、正しい手順で月1回の自己検査を行っても、定期的なマンモグラム検査を受ける群と比べて乳がん発見率の向上が確認されなかったうえ、乳房が密な組織や自然に凹凸のある人ではわずかな変化に過度の不安を抱くことがあるためだという。
乳房セルフアウェアネスでは「いつもと違う変化」に気づくことが目的であり、特定の手順や日程に縛られない。日常生活の中でスポーツブラを着る際に形の変化に気づいたり、就寝時に痛みや違和感を覚えたりした場合、それを医師に相談する契機として捉える。メモリアル・スローン・ケタリングがんセンターの医師は、鏡を見る際の注意や、パートナーが違和感を伝えてくれることもあり得ると説明する。
専門家は異常の典型的な兆候として以下のような変化を挙げている。乳房のしこり、乳頭が内側に引っ込む症状(陥没乳頭)、乳頭からの分泌物、皮膚のくぼみやへこみ、乳房の大きさの変化、皮膚の赤み、特定部位の持続的な痛みなどだ。こうした変化を感じた場合は、早めに医療機関を受診することが推奨されている。
乳房セルフアウェアネスはあくまで補完的な概念であり、これだけで乳がん検診を代替するものではない。米国予防医療専門家委員会(USPSTF)やACSのガイドラインでは、40歳から45歳ごろに年1回または2年に1回のマンモグラム検査を受けることが推奨されている。高リスクの人ではより早期または頻回の検査が望ましい場合もある。
乳がんは女性に最も多くみられるがんの一つであり、米国では例年、30万人以上の女性と約2600人の男性が浸潤性乳がんと診断されている。多くの変化は良性(がんではない)ものだが、持続したり悪化したりする場合は専門医の評価を受けることが重要だと医療関係者は強調している。
乳房セルフアウェアネスの普及は、患者が自身の身体に関心を持ち、変化に敏感になることで早期発見につなげる意識改革を促すと同時に、過度な不安を軽減しつつ健康管理を日々の習慣に取り入れる新しいステップとして位置づけられている。
