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家庭用防犯カメラの安全性とプライバシー、知っておくべきこと

専門家はこうした家庭用監視システムを導入する際には、企業がどのようなデータを収集し、どのように利用するかを十分に理解することが重要だと指摘する。
防犯カメラのイメージ(ABCニュース)

米国で家庭用防犯カメラの安全性とプライバシーに関する関心が高まっている。これは、アマゾン傘下の防犯カメラブランド「リング(Ring)」のスーパーボウル広告や、「グーグルネスト(Google Nest)」のカメラ映像が行方不明者捜索に使われた事件を受けたものである。

まず、リングのスーパーボウル広告は「サーチパーティー(Search Party)」と呼ばれる機能を紹介し、近隣のリングカメラ映像を捜索に利用できることを強調する内容だった。しかし視聴者の一部は、これが実際にはカメラネットワーク全体からデータを収集し得る仕組みであり、スパイウェアのようだとして大きな反発を招いた。反発を受け、リングの創設者は広告に対して予想以上の反応があったと述べ、プライバシー保護を重視して設計していると説明した。

また、リングは「フロックセーフティ(Flock Safety)」という企業と協力して地域の捜査機関がカメラ情報を利用できる仕組みを構築する計画を一時発表したが、批判を受けて双方がこの協力を断念したという。批評家はこうしたシステムが捜査機関だけでなく広範な監視目的にも使われる可能性を懸念している。

一方、グーグルネストのカメラ映像に関する関心も高まっている。84歳の女性行方不明事件で、ネストのドアベルカメラの映像が捜査で公開された。報道によると、行方不明当時この女性はネストの録画サブスクリプションに加入していなかったにもかかわらず、FBIはバックエンドに残っていたデータを復元して映像を得た。この事例は、ユーザーが自覚しないところでデータが保存・利用可能になるケースがあるとして議論を呼んでいる。

グーグルは、ネストカメラはユーザーが明示的に有効にした機能に限り映像を送信すると説明している。また、サブスクリプションに加入していればクラウドに保存された映像をユーザー自身が確認・削除できるとしている。さらに、全ての動画履歴は契約プランに応じて一定期間後に自動的に削除されると説明している。

リングのシステムではサブスクリプション契約が必要となり、契約後に発生したイベントだけが録画される仕組みとなっている。また、ユーザーは任意でエンドツーエンド暗号化を有効にすることも可能で、パスワード保護を強化することができる。

専門家はこうした家庭用監視システムを導入する際には、企業がどのようなデータを収集し、どのように利用するかを十分に理解することが重要だと指摘する。あるプライバシー専門家は、防犯カメラを設置するだけで自分自身や近隣住民、公共空間について多くのデータが収集され、それが企業の手元に残る可能性があると警告している。

このように、利便性と防犯効果が評価される一方で、家庭用カメラがプライバシーやデータ管理の面で新たなリスクを抱えていることが浮かび上がっている。

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