◎大統領選は7月28日に予定されている。
ベネズエラの野党連合は2日、マドゥロ(Nicolas Maduro)大統領が米政府との協議再開を発表したことについて、歓迎する意向を示した。
全野党連合の報道官は記者団に対し、「我々はマドゥロ大統領の1日の声明と、大統領選を数週間後に控えた中での米政府との協議を歓迎する」と語った。
また報道官は「大統領選のプロセスと民主主義を尊重するという観点から、必要であればこの協議に参加する用意がある」と表明した。
マドゥロ氏は1日、バイデン米政権との協議を3日から再開すると発表した。
米政府はこの発表に関するコメントを出していない。
マドゥロ氏はテレビ演説の中で、「この協議は緊張緩和に向けた取り組みのひとつである」と述べたが、それ以上の詳細は明らかにしなかった。
大統領選は7月28日に予定されている。
同国初の女性大統領を目指していたマチャド(María Corina Machado)元議員は昨年10月、米政府が支援する全野党の選挙管理当局が主催する大統領予備選で大勝。その得票率は94%、投票数は選管の予想を大きく上回り、200万人以上が投票した。
しかし、マドゥロ政権はマチャド氏に15年間の出馬禁止令を科している。
マドゥロ政権は米国の制裁緩和と引き換えに公正な選挙を行うと約束したにもかかわらず、野党を弾圧してきた。
米政府は昨年10月、マドゥロ政権が野党連合と選挙協定を結んだ見返りとして、経済制裁を一部緩和したものの、その後も野党への弾圧が続いているとして、今年3月にこれを取り消した。
全野党はマチャド氏の後任として、元外交官のゴンザレス(Edmundo González)氏を統一候補に指名。最新の世論調査によると、ゴンザレス氏は公正な選挙が行われた場合、マドゥロ氏に勝利する可能性が高いと見込まれている。
ベネズエラの経済は米国の厳しい経済制裁で急速に悪化。GDPはマドゥロ氏が就任した2013年以降、右肩下がりとなり、2021年には10年前の2割以下に落ち込んだ。
その結果、数百万人が国外に逃亡。その多くが米国への移住を夢見て、南部国境を目指している。