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▽マドゥロ氏が今回の会談でベネズエラ国籍の不法移民の受け入れを認めたかは分かっていない。
2025年1月31日/ベネズエラ、首都カラカス、マドゥロ大統領(右)と米国のグレネル特使(ABCニュース)

米国のグレネル(Richard Grenell)ベネズエラ担当特使が1月31日、ベネズエラの首都カラカスでマドゥロ(Nicolas Maduro)大統領と会談した。

グレネル氏はX(旧ツイッター)に声明を投稿。「6人の米国民が解放され、一緒に帰国の途に就く」と書いた。

トランプ(Donald Trump)米大統領も声明を出し、6人の解放を発表した。

ホワイトハウスのレビット(Karoline Leavitt)報道官は31日の記者会見で、「マドゥロをベネズエラの正当な大統領と認めるのか?」という質問に対し、「絶対にない」と言明していた。

グレネル氏は今回、米国内にいるトレンデアラグア」のメンバー400人を送還することと、ベネズエラで拘束されている米国人を全員解放・帰国させることを求めたとされる。

トランプ氏はベネズエラのギャング、トレンデアラグアのメンバーを米国から排除すると発言している。一部メディアはトランプ氏がエルサルバドル政府と取引を結び、そのメンバーを同国の刑務所に送る準備を進めていると報じた。

トレンデアラグアはベネズエラ北部アラグア州の刑務所で創設されたギャング。ベネズエラ当局はこの組織を解体したと発表しているが、幹部の行方は分かっていない。

マドゥロ氏が今回の会談でベネズエラ国籍の不法移民の受け入れを認めたかは分かっていない。

ベネズエラの国営テレビはこの会談について、米政府からの要請に基づき実施されたと報じている。

トランプ氏は今週、国内にいる60万人以上のベネズエラ人に与えていた強制送還保護の延長を取り消した。

ベネズエラの経済は米政府によるマドゥロ政権への厳しい経済制裁とマドゥロ氏の後先考えないバラマキ政策で急速に悪化。GDPはマドゥロ氏が就任した2013年以降、右肩下がりとなり、2021年には10年前の2割以下に落ち込んだ。

現在のGDPはピーク時の4分の1となり、その結果、800万人近くが国外に流出。その多くが他の中南米諸国を経由して米国への移住を目指している。

選挙管理委員会は昨年7月、大統領選の集計結果を公表せず、マドゥロ氏が得票率51%で勝利したと宣言した。

しかし、野党陣営は全国の電子投票機が印刷した集計表の80%以上を確保・精査した結果、全野党の統一候補であるゴンザレス(Edmundo González)氏の得票数はマドゥロ氏に2倍以上の差をつけていたことが明らかになった。

米国やEUを含む数十カ国が選挙の勝者をゴンザレス氏と認定。選管に透明性のある集計結果を公表するよう呼びかけてきた。

しかし、最高裁判所は8月末、マドゥロ氏の勝利を認定。さらにカラカスの地方裁判所は9月、ゴンザレス氏が選挙結果を捏造し、暴動を煽ったなどとして逮捕状を発行した。

この結果、ゴンザレス氏はスペインへの亡命を余儀なくされた。

マドゥロ氏は1月10日の就任式で宣誓、3期目をスタートさせ、米英とEUによる新たな制裁を非難した。

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