ベネズエラ産原油の米国向け輸出、協議進む、マドゥロ拘束で制裁緩和か
ベネズエラは世界最大級の原油埋蔵量を有するが、米国は2025年12月中旬に同国産原油の輸出を阻止する措置を導入し、それに伴って多くの原油が輸出されないまま積み上がっている。
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米国とベネズエラ両政府が、ベネズエラ産原油を米国市場に輸出する可能性について協議を行っている。ロイター通信が情報筋の話しなどとして6日に報じた。この交渉は米国が科しているベネズエラ向け原油輸出禁止措置をめぐる障壁を乗り越え、ベネズエラの原油を米国の製油所に供給する道を探るものだ。
ベネズエラは世界最大級の原油埋蔵量を有するが、米国は2025年12月中旬に同国産原油の輸出を阻止する措置を導入し、それに伴って多くの原油が輸出されないまま積み上がっている。この禁止措置はベネズエラのマドゥロ(Nicolas Maduro)大統領に対する圧力強化と関連しており、米政府は制裁と称してこれを維持してきた。
協議の焦点となっているのは、ベネズエラが保有する原油の一部をこれまでの主要輸出先である中国から引き揚げ、米・メキシコ湾岸地域の製油所に供給することだ。これら製油所は重質原油の処理能力を有し、過去には1日約50万バレルを輸入していた。だが、制裁以降はこうした流れが途絶えている。
両国が協議を進めているのは、米国の精製業界にとってベネズエラ産原油の再導入が魅力的な提案であるためだ。ベネズエラの重質原油は米国の製油所で効率的に処理できる一方で、現在はその供給が制限されているため、代替としてカナダ産の重質原油が用いられている。このため、ベネズエラ産原油の輸入再開は米製油所にとってコスト面でのメリットにつながるとの見方がある。
交渉には課題も多い。米国の制裁は依然としてベネズエラの原油輸出を厳しく制約しており、輸出による収益がどのようにベネズエラ暫定政権や国営石油会社PDVSAに還元されるかについて明確な枠組みも定まっていない。また、米側は制裁解除と引き換えに、ベネズエラ側に具体的な条件を求める可能性があるとの見方も出ている。
こうした交渉は、米政府と石油大手企業との協議とも密接に関連している。トランプ政権は今週、主要な石油企業の経営陣をホワイトハウスに招き、ベネズエラでの原油生産や投資について意見交換を行う予定だと報じられている。これには、ベネズエラ情勢が米国のエネルギー政策や国際的な供給網に与える影響を探る狙いがあるとみられる。
ベネズエラの原油輸出は、長年にわたり中国が主要な買い手となってきたが、制裁以降は輸出量が減少し、PDVSAは保管能力の限界から生産量の引き下げを余儀なくされている。輸出再開により、こうした物流面の課題が解消される可能性がある一方で、国際的な金融・決済ルールとの整合性をどう保つかが今後の主要な論点となる。
米国とベネズエラの協議が実を結べば、ベネズエラの原油市場への復帰は中南米のエネルギー地政学に大きな影響を与える可能性が高い。原油価格や北米の供給構造にも影響が及ぶとの分析がある中で、交渉の進展が注目されている。
