米民主党議員、エルサルバドルに誤って強制送還された男性と面会
▽3月以来、エルサルバドルは米国から300人近くのベネズエラ人移民を受け入れている。その中にガルシアさんも含まれていた。
と刑務所に収監された男性(Chris-Van-Hollen/ABCニュース).jpg)
米民主党のバン・ホーレン(Chris Van Hollen、メリーランド州選出)上院議員は17日、米国から誤ってエルサルバドルに強制送還され、同国の悪名高い巨大刑務所に収容されているベネズエラ出身の男性と面会したと明らかにした。
バン・ホーレン氏はX(旧ツイッター)にメリーランド州在住のガルシア(Kilmar Abrego Garcia)さんと一緒に映っている写真を投稿した。
トランプ政権は先月中旬、1798年に制定され、第2次世界大戦中に日系人の強制収容で使われたことで知られる敵性外国人法に基づき、ベネズエラの麻薬組織「トレンデアラグア」の構成員約250人をエルサルバドルの刑務所に送った。
先月末にはエルサルバドルのギャング「マラ・サルバトルチャ(通称MS-13)」のメンバーとされる17人もエルサルバドルに強制送還した。
政府は送還した移民をギャングのメンバーと呼んでいるが、一部の親族はそれを否定している。
3月以来、エルサルバドルは米国から300人近くのベネズエラ人移民を受け入れている。その中にガルシアさんも含まれていた。
ABCニュースはガルシアさんの妻に近い関係者の話しとして、「エルサルバドルのブケレ(Nayib Bukele)大統領がバン・ホーレン上院議員とガルシアさんの面会を許可した」と伝えている。
それによると、ガルシアさんは外部と連絡を取ることを禁じられているという。2人がどこで面会したかも明らかになっていない。ガルシアさんは中部テコルカの刑務所に収容されているとみられる。
バン・ホーレン氏は17日未明の声明で、エルサルバドル当局がガルシアさんとの面会を拒否したとSNSに投稿していた。
バン・ホーレン氏が投稿した動画には中部テコルカの刑務所の守衛がバン・ホーレン氏と関係者らの立ち入りを拒否する様子が映っていた。
米最高裁は先週、トランプ政権による敵性外国人法を活用したベネズエラ犯罪者の強制送還を差し止めた下級審の仮処分について、無効とする判断を示した。
一方、最高裁はガルシアさんが誤って送還されたとして、米国への帰還を「促進」するよう政権に命じた。
トランプ政権はガルシアさんを釈放するかどうかは主権国家のエルサルバドルが決めることであると主張し、送還を強制することはできないと述べている。
またトランプ政権はガルシアさんがMS-13に所属していたと主張。本人と家族は関与を否定している。
トランプ政権は犯罪者を収監する見返りとして、エルサルバドルに年間600万ドルの支払いを約束している。
国土安全保障省(DHS)は今週初め、最高裁に宛てた書簡の中で、ガルシアさんは主権国家であるエルサルバドルの刑務所に拘留されているため、米国に男性を強制送還させる権限はないと主張した。
またDHSは「仮にエルサルバドルが釈放を許可しても、この男性はテロ組織の一員であるため、米国への入国は許可されない」と述べた。
米国務省は2月、MS-13やトレンデアラグアを含む中南米の8つの麻薬組織を外国テロ組織に指定した。