◎軍政と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」の戦闘は6週目に突入した。
米国際開発庁(USAID)のサマンサ・パワー(Samantha Power)長官は20日、軍政と準軍事組織の戦闘で危機的状況に陥っているスーダンの難民支援に尽力すると表明した。
4月15日に勃発した軍政と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」の戦闘は6週目に突入した。
人権団体「スーダン医師中央委員会」によると、この1カ月で民間人700~1000人が死亡、20~30万人が近隣諸国に逃れ、国内では80~90万人が避難生活を送っているという。
国連とUSAIDはわずか1カ月で少なくとも25万人が国外に避難し、84万3000人が国内避難民になったと推定している。
パワー氏はカタールの衛星テレビ局アルジャジーラの取材に対し、「スーダンとこの紛争の影響を受けている国々に1億ドルの追加資金を送る」と語った。
またパワー氏は「スーダン国内の人道状況は改善されるどころか悪化の一途を辿っているため、USAIDは現場で活動するNGOなどへの支援を強化している」と述べた。
パワー氏は今週、多くのスーダン難民を受け入れている隣国チャドの難民キャンプを視察した。
軍政とRSFの戦闘は主に首都ハルツームで繰り広げられているが、ダルフール紛争の震源地である西部ダルフール地方でもアラブ系部族とアフリカ系部族の戦闘が激化したと伝えられている。
国連によると、両部族の衝突により、この1カ月で少なくとも6万人がチャドに避難したという。
チャドの難民キャンプで活動するNGOは毎日数千人がスーダンから流入していると報告している。
難民の多くは国境検問所のない砂漠エリアの居住区に避難しているようだ。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は今週、これらの居住区に避難したスーダン人の難民キャンプへの移送を開始した。
UNHCRによると、この地域への支援物資輸送には膨大な時間、資金、そして国際社会の支援が必要だという。