◎ニジェールと西側の関係は昨年7月のクーデターでバズム大統領が拘束されて以来、ぎくしゃくしている。
2024年4月20日/ニジェール、首都ニアメ、駐留米軍の撤退を求めるデモ(Getty Images)

西アフリカ・ニジェールに駐留する米軍の撤退に向けた協議が進められている。米国防総省が23日、明らかにした。

ライダー(Pat Ryder)報道官は記者会見で、「ニジェールからの秩序ある撤退について、関係当局との協議を開始した」と語った。

それによると、国防総省は米アフリカ軍司令部から少人数の代表団をニジェールに派遣し、協議に参加させる予定だという。

ライダー氏は「西アフリカにおけるテロの脅威に対処するため、地域一帯の国々と引き続き協力していく」と強調した。

米軍は首都ニアメから1000キロほど離れた北部に空軍基地を保有。1000人以上の部隊を駐留させ、サハラ砂漠以南のサヘル地域で猛威を振るう国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)系組織を取り締まっている。

ニジェールはサヘル地域における米仏軍の対テロ作戦で中心的な役割を担ってきた。

米軍は主にドローンなどを使って偵察任務に当たっている。

国防総省は撤退時期を明らかにしていない。

ニジェールの地元メディアによると、ニアメでは駐留米軍の撤退を求める数百人規模のデモが数日前から続いているという。

軍政は先月、2012年に結んだ米国との軍事協定を打ち切ると一方的に発表した。

米アフリカ軍司令部はこの発表を受け、「ニジェール軍政がロシアやイランなどと連携して、駐留米軍の地位を脅かしている」と懸念を表明していた。

軍政の報道官はこの懸念に反発。「米国によるニジェール国民への脅しを非難する」と主張した。

また報道官は「米国は主権者である国民がテロとの闘いを真に助けることのできるパートナーや協定を選ぶ権利を否定しようとしている」と非難した。

ニジェールと西側の関係は昨年7月のクーデターでバズム(Mohamed Bazoum)大統領が拘束されて以来、ぎくしゃくしている。

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