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米海軍のミサイル駆逐艦がトリニダード・トバゴに寄港、ベネズエラへの圧力強化

トリニダード・トバゴのパサードビセッサー首相は米海軍による麻薬密輸船屁の攻撃を絶賛し、「全ての麻薬密売人を殺すべき」と強調している。
米海軍の原子力空母ジェラルド・R・フォード(Getty Images)

米海軍のミサイル駆逐艦グラベリーが26日、カリブ海の島国トリニダード・トバゴの首都に寄港した。

国防総省は2日前、南米沖に空母打撃群を派遣すると発表。ヘグセス(Pete Hegseth)国防長官が原子力空母ジェラルド・R・フォードを中核とする打撃群の展開を命じた。

グラベリーもカリブ海で麻薬密輸船の監視任務に参加する予定だ。

トランプ政権は空母打撃群を派遣することで、ベネズエラの独裁者であるマドゥロ(Nicolas Maduro)大統領への圧力を強めている。

マドゥロ氏はトランプ政権が戦争を仕掛けようとしていると主張。国連安保理に米海軍を止めるよう求めている。

米海軍は先月初め、外国テロ組織に指定されているベネズエラの麻薬組織トレンデアラグアが運航する麻薬輸送船を空爆し、構成員11人を殺害。その後、さらに9隻の麻薬密輸船を爆撃した。

米当局は10隻を爆撃した時点で「麻薬テロリスト」43人を殺害したと報告している。6隻目の空爆(潜水艇)では、少なくとも2人の生存者が拘束され、このうち1人はエクアドル人、もう1人はコロンビア人であった。

トランプ(Donald Trump)は麻薬カルテルと戦争状態にあると宣言し、それをテロ組織に指定することで、一連の攻撃を正当化してきた。

これはジョージ・W・ブッシュ政権がテロとの戦争に使用したのと同じ法的権限に基づいている。

海軍はこの海域に8隻の軍艦、6000人以上の要員を展開している。フォード打撃群が到着すれば、4500人近くの水兵がこれに加わることになる。

一方、トリニダード・トバゴのパサードビセッサー(Kamla Persad-Bissessar)首相は米海軍による麻薬密輸船屁の攻撃を絶賛し、「全ての麻薬密売人を殺すべき」と強調している。

パサードビセッサー氏は米国がこの地域の違法な銃器・麻薬・人身売買を取り締まれば、トリニダード・トバゴを含むカリブ諸国の暴力が減少すると期待感を示している。

パサードビセッサー政権は7月、国内の刑務所で活動する犯罪組織が主要な政府高官の殺害と公共機関への攻撃を計画していたとして、非常事態を宣言した。

政府は昨年12月にもギャング暴力への懸念を理由に同様の措置を講じ、4月中旬まで継続していた。

トリニダード・トバゴの人口は約140万人。内務省の統計によると、昨年の殺人件数は過去最多の624件に達したという。今年の殺人件数は7月中旬時点で214件。昨年同時期は325件であった。

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