▽バイデン前政権は対ベネズエラ制裁の例外として、スペインやインドなどに対し、PDVSAの石油・天然ガスの輸入を認める許可を与えていた。
.jpg)
トランプ米政権がベネズエラの国営石油会社PDVSAの石油・天然ガスの購入許可を取り消した。現地メディアが29日に報じた。
バイデン前政権は対ベネズエラ制裁の例外として、スペインやインドなどに対し、PDVSAの石油・天然ガスの輸入を認める許可を与えていた。
ロイター通信によると、スペインのレプソル、イタリアのエネルギー大手ENI、フランスのモレル・アンド・プロム、インドのリライアンス・インダストリーズ、米国のグローバル・オイル・ターミナルズなどが許可停止の通知を受けたという。
トランプ(Donald Trump)米大統領は4月2日以降、ベネズエラ産石油・天然ガスを購入するすべての国に対し、25%の追加関税を課すと警告している。
AP通信によると、この通知が出て以来、ほとんどの企業がすでにベネズエラ産石油の輸入を停止しているという。
ベネズエラの石油輸出は今後、劇的に減少するとみられる。
ベネズエラは中国とイランにも石油や天然ガスを輸出している。
2月のベネズエラの原油・燃料輸出量は日量91万バレルで、1月の86.7万バレルを上回った。
ベネズエラは世界最大の石油埋蔵量を誇り、かつては南米最大の経済大国であった。しかし、その経済は米政府による制裁とマドゥロ(Nicolas Maduro)大統領の後先考えないバラマキ政策で急速に悪化。GDPはマドゥロ氏が就任した2013年以降、右肩下がりとなり、2021年には10年前の2割以下に落ち込んだ。
現在のGDPはピーク時の4分の1となり、その結果、800万人近くが国外に流出。その多くが他の中南米諸国を経由して米国への移住を目指している。
トランプ氏はマドゥロ氏が政治改革を行わず、移民問題でも必要な対策を講じていないと非難してきた。
2020年のトランプ第1次政権による同様の措置はベネズエラの原油生産量と輸出量を激減させた。その結果、PDVSAは中国により多くの貨物を割り当てるために仲介業者を利用、イランとの連携強化につながった。それらの仲介業者は今もPDVSAと取引している。
トランプ氏は今月初め、米石油大手シェブロンによるベネズエラ産石油の輸出許可を打ち切ると発表。4月3日までにベネズエラからの輸出を停止する必要がある。
カリフォルニア州に本社を置くシェブロンは米政府によるベネズエラ制裁を免除され、米国内にベネズエラ産石油を輸入・販売することを許可されてきた。