◎鳥インフルH5N1型は近年、犬、猫、アシカ、ホッキョクグマに至るまで、多くの動物から検出されるようになった。
米政府は4日、現在入手可能な鳥インフルエンザワクチンを必要に応じてすぐ使用できるようにするため、7200万ドル(約108億円)相当のワクチンを調達すると発表した。
これは犬や猫などの動物向けに開発されたものである。
保健福祉省(HHS)は鳥インフルワクチンの接種を推奨していないが、今回の購入について、「万一に備えるため」と説明している。
政府は3つの製薬会社が製造するワクチンを購入。その保管を3社に委託し、いつでも使える状態にする。
鳥インフルは主に野鳥が持ち込むものであり、そのフンや唾液に触れた家禽が感染し、広がる。
ヒトへの感染は稀。感染したニワトリなどを扱う際には徹底した防疫対策が求められる。
鳥インフルH5N1型は近年、犬、猫、アシカ、ホッキョクグマに至るまで、多くの動物から検出されるようになった。
HHSは声明で、「この措置はH5N1を含む鳥インフルに対する国の備えを強化するものである」と述べた。
専門家によると、ワクチンを接種しても感染そのものを防ぐことはできず、接種した個体が知らぬ間にそれを拡散させ、早期発見・処理が困難になる可能性があるという。
米国ではほぼ毎年、鳥インフルが流行する。
2015年には15州の200以上の養鶏場で報告され、約5000万羽の鶏と七面鳥が処分された。昨年の殺処分数は6000万羽を超えている。