◎超党派は手遅れになる前にウクライナに必要な支援を提供する必要があると述べ、かつてない勢いで法案を準備した。
2022年3月8日/ワシントンD.C.議会議事堂、民主党のチャック・シューマ―上院院内総務(J. Scott Applewhite/AP通信)

3月9日、議会の指導者たちはウクライナと欧州の同盟国を支援する136億ドル(約1兆5000億円)の予算を含む資金調達法案に大筋で合意した。

AP通信によると、ジョー・バイデン大統領はウクライナ支援に100億ドルを要求していたが、民主党と共和党の超党派は規模を120億ドルに引き上げ、8日遅くに136億ドルに決まったという。

全体の予算は1.5兆ドル(170兆円)規模になると伝えられている。

超党派は9日に下院、週明けに上院で可決することを望んでいるが、AP通信によると、上院の審議日は未定だという。超党派は手遅れになる前にウクライナに必要な支援を提供する必要があると述べ、かつてない勢いで法案を準備した。

またAPによると、バイデン政権の高官は国の予算が枯渇しかけていることに懸念を表明し、コロナ対策予算を含む法案の速やかな成立を望んでいるという。

民主党のチャック・シューマ―上院院内総務は8日、「私たちは目的を達成することに集中している」と述べ、法案を速やかに通過させると誓った。

超党派はウクライナへの支援に関しては結束したが、民主党と共和党の軋轢、対立、緊張が解消されたわけではない。

共和党はロシアに対するバイデン大統領の制裁発動は遅すぎると非難している。また共和党は、連邦所有地内での石油石炭開発を強化する必要があると述べ、脱炭素を推進する民主党の政策を強く非難した。

超党派はロシア産エネルギーの輸入禁止制裁の速やかな発動を求めていたが、バイデン大統領は禁止に消極的だった。欧州の同盟国はそれに大きく依存しており、輸入禁止に向けた取り組みについては米国とは明らかに温度差がある。

超党派は予算の一部を公表している。

コロナワクチン、検査、治療などは156億ドルで、そのうち50億ドルは世界的な大流行と戦うために使用されることになった。バイデン大統領はこの項目に225億ドルを要求していた。

低所得の大学生に対する支援、DVから女性を守るプログラム、サイバーセキュリティを強化するプログラムにも割り当てられる予定。

共和党のスーン上院議員は8日、ソーシャルメディアに「軍予算の増額を歓迎する」と投稿した。

同じく共和党のマコーネル上院少数党首は、ポーランドがドイツの米軍基地経由でウクライナにミグ戦闘機を供与すると発表したことについて、「米国は融資を提供する」と述べた。ポーランドは米国にF-16戦闘機の供与を求めている。

一方、外食産業への支援として数十億ドルを要求していた民主党のカーディン上院議員は、「共和党の反対でこの項目は削除された」と不満を表明した。

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