◎アナリストたちは需要が減らない限り価格は上昇し続けると予想している。
米国自動車協会(AAA)によると、全米のガソリン価格は1ガロン5ドルに迫っており、家計を圧迫し、国民の首を力強く絞めつけているという。
9日の全米平均レギュラーガソリン価格は1ガロン4.97ドルに達し、先週から約25%上昇。1年前に比べると1.90ドルも高くなった。
▽レギュラー1ガロン4.97ドル(リッター176円)※1ドル134円で計算
ドライバーにお得なガソリンスタンドを紹介するサービス「GasBuddy」によると、全国の平均価格は初めて5ドルを超えた。
全米のガソリン価格は着実に値上がりしており、3月上旬に4ドルを突破した。ロシアのウクライナ侵攻が高騰に拍車をかけている。
AAAによると、最も平均価格が高い州はカリフォルニア州で1ガロン6.40ドル(リッター227円)。他の西部州やイリノイ州は5.50ドル(リッター195円)前後。
最も低いのはジョージア州だが、それでも4.41ドル(リッター156円)である。
ガソリン代に悩まされているのは米国だけではない。
英国民は今週、ガソリンスタンドの表示板を見て愕然とした。報道によると、ロンドンのレギュラー価格の平均はリッター182.3ペンス(約310円)に達した。
アナリストたちは需要が減らない限り価格は上昇し続けると予想している。一部の専門家はウクライナ侵攻だけでなく、製油所やタンカーに影響を与える天災にも警戒しなければならないと指摘している。
AAAは声明の中で、「先は見えない」と述べている。「今夏、余裕はほとんどありません。製油所をフル稼働させるのです...」
ホワイトハウスによると、コロナウイルスの影響で多くの製油所が閉鎖し、米国の精製能力は2020年から日量80万バレル減少したという。稼働中の製油所で働くある男性職員はツイッターに「ハードワーク」と投稿している。「他の製油所を今すぐ再起動しなさい」
しかし、製油所は電気自動車の台頭でガソリン需要が落ち込むのではないかという不安を抱え、設備投資に消極的である。
全米の消費者物価指数はこの40年で最高を記録し、ガソリンを含むあらゆる商品の価格を押し上げている。4月の消費者物価は1981年の記録を更新した前月をわずかに上回った。5月の数値は10日に発表される予定である。
連邦議会の下院民主党員は先週、石油会社にガソリンスタンドの小売価格を取り締まらせる法案に賛成したが、上院で支持を得られる可能性は皆無である。
AAAの会長は先週、「価格高騰は低所得者、車社会の農村部、中小零細企業を押しつぶそうとしているため、政府の介入が必要不可欠である」と訴えた。