◎トランプ氏は2016年、大統領選の盛り上がりがピークに達した時に不倫関係にあったとされるポルノスター「ストーミー・ダニエルズさん」に13万ドルの口止め料を支払った。
2023年3月25日/米テキサス州ウェーコ、支持者の歓声に応えるトランプ前大統領(Evan Vucci/AP通信)

米テキサス州ウェーコで25日、まもなく起訴されると噂されているトランプ(Donald Trump)前大統領が集会を開き、ニューヨーク地検を侮辱し、有権者に最悪の事態に備えるよう促した。

ウェーコの空港に集まった頑固な共和党員たちはトランプ氏の応援歌と共に本人が現れると歓声を上げ、「USA!」「あと4年!」「俺たちの大統領!」などと連呼した。

その後、聖歌が国歌を熱唱。演説後にはトランプ氏が暗唱した忠誠の誓いの録音と共に2021年1月6日の議会議事堂襲撃事件の写真の一部がスクリーンに映し出された。

トランプ氏は胸に手を当て、暴動で亡くなった警察官に敬意を表した後、憤怒に満ちたスピーチを開始した。

トランプ氏の2024大統領選キャンペーンは共和党の聖地テキサス州で幕を上げた。

トランプ氏は自身の汚職疑惑を捜査する検察を「凶悪犯」と呼んだ。「米国の司法制度を腐敗させている凶悪犯や犯罪者は敗北し、信用を失い、赤っ恥をかくでしょう,,,」

マンハッタン地検は2016年の大統領選でトランプ氏と不倫関係にあったとされるポルノスター「ストーミー・ダニエルズ(Stormy Daniels)さん」に対し、13万ドルの口止め料を支払ったという疑惑について捜査している。

この事件はトランプ氏が13万ドルを支払った後、当時の弁護士であるコーエン(Michael Cohen)氏がそれをどのように処理したかが争点となっている。

コーエン氏はそれを「弁護士費用」として計上したとされる。地検はこれが記録の改ざんに当たる可能性があるとして捜査を続けている。

ウェーコの集会はマンハッタン地検の捜査に激怒する共和党支持者の怒りを利用していた。トランプ氏は今週、自身が起訴されれば暴力・破壊・死がもたらされると警告した。

トランプ氏は演説の中で地検の捜査を批判し、無実を宣言した。NY大陪審はこの事件に関する審理を27日に開く予定である。

トランプ氏は「マンハッタンの検事は犯罪でも、軽犯罪でも、不倫でもないことで自分を捜査している」と主張した。

「敵は我々を食い止めようと必死になっています。米国の敵は我々の精神を破壊し、民主主義を取り戻すという意志を断ち切るために卑怯な、目を覆いたくなるほど卑怯な手を尽くしてきました...」

トランプ氏は「敵は失敗した。失敗したんだ」と支持者に語り掛けた。「しかし、彼らは失敗したのです。彼らの卑怯なやり方は私たちをより強く結束させました。2024年の決戦に備えてください。私をホワイトハウスに戻せば、敵の支配は終わり、米国は再び自由な国になるのです...」

トランプ氏は2016年、大統領選の盛り上がりがピークに達した時にダニエルズさんに13万ドルの口止め料を支払ったとされる。

トランプ氏はこの処理をコーエン氏に任せ、同氏はこれを会社の法的費用として計上した。

コーエン氏は選挙資金に関する罪や偽証罪などで告発され、服役している。

トランプ陣営は2024大統領選キャンペーンを80人以上が死亡した事件の舞台であるウェーコからスタートさせた。

ウェーコはちょうど30年前、新興宗教ブランチ・ダビディアンが2カ月近くにわたって連邦捜査局(FBI)とにらみ合った末、立てこもっていたビルから出火して連邦捜査官4人と子供を含む80人以上が死亡する事件が起きたことで知られている。

トランプ陣営は集会の場所と時期がウェーコの記念日と重なったことについて、「ただの偶然」と主張している。

トランプ陣営の広報担当によると、この場所が選ばれたのは州の4大都市圏(ダラス・フォートワース、ヒューストン、オースティン、サンアントニオ)に近く、大勢の観客を収容できるインフラが整っていたからだという。

テキサス州のパトリック(Dan Patrick)副知事は「トランプ陣営はウェークを会場に選び、暴動を煽っている」という民主党支持者の主張を一蹴した。「トランプ大統領が記念日に合わせてこの町を選んだという主張や報道はすべてフェイクです」

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