米国、キューバの医療従事者派遣プログラムで追加制裁、ブラジル高官など

カリブ海の各国首脳はキューバの医療従事者が「奴隷」のように働かされているという米国の批判を退けてきた。
キューバ、首都ハバナ(ロイター通信)

米国のルビオ(Maro Rubio)国務長官は13日、キューバの海外医療従事者派遣プログラムと関連があるとされるアフリカ、カリブ海諸国、ブラジルの政府高官に対し、ビザ(査証)の取り消しまたは制限措置を講じると発表した。

ルビオ氏は声明で、「国務省はブラジル保健省の高官や汎米(パンアメリカン)保健機関(PAHO)の元幹部を含む複数人のビザを取り消した」と述べた。

またルビオ氏は他の対象者について、「アフリカ、キューバ、グレナダ出身である」とした。

キューバ共産党は医療ミッションを阻止しようとする米国の制裁を外貨収入を狙った嫌がらせと非難している。

輸入依存型のキューバの外貨収入は近年、米国の制裁により約30%減少。食料、燃料、医薬品、農業や製造業の原材料不足を引き起こしている。

カリブ海の各国首脳はキューバの医療従事者が「奴隷」のように働かされているという米国の批判を退けてきた。

キューバの米国担当副局長はX(旧ツイッター)に声明を投稿。「キューバの医療協力は今後も継続される」と主張した。「ルビオ氏の優先事項はパレスチナに対するイスラエルの虐殺への資金援助、キューバへの拷問、最も医療サービスを必要とする人々への医療サービスの妨害である...」

トランプ(Donald Trump)大統領は就任初日、バイデン前政権が政権交代直前に決定したキューバに対する「テロ支援国家」指定解除を取り消し、送金規制を強化し、移住プログラムを停止した。

トランプ政権は1959年のキューバ革命以来、世界中に医療従事者を派遣してきたキューバの医療プログラムに関係しているとみられる当局者を対象とするビザ制限を拡大。ルビオ氏はこのプログラムを共産党の「外貨獲得・強制労働プログラム」と呼び、医療従事者が各国に「レンタル」され、奴隷のように働かされ、共産党に外貨を送っていると非難した。

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