米財務省、メキシコの3金融機関に制裁、麻薬カルテル絡み

麻薬カルテルとの関連を理由に個人や企業に対する制裁は比較的頻繁に行われているが、金融機関を対象とするのは稀である。
メキシコのシェインバウム大統領(左)とトランプ米大統領(Getty Images)

米財務省は25日、麻薬カルテルとつながりがあるとされるメキシコの3金融機関(CIBanco、Intercam Banco、Vector Casa de Bolsa)を制裁リストに追加したと明らかにした。

財務省の金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)はこの3機関を「主要な資金洗浄懸念対象」に指定。米国民および米企業との取引を禁じた。

専門家はこの制裁について、比較的小規模な機関が対象となったものの、銀行間の相互接続性と米国との密接なビジネス関係を踏まえると、メキシコの金融システムに影響を与える可能性があると指摘している。

麻薬カルテルとの関連を理由に個人や企業に対する制裁は比較的頻繁に行われているが、金融機関を対象とするのは稀である。

メキシコ財務省は声明で、FinCENから通知を受け、3金融機関の不正に関する証拠を示すよう米財務省に求めてが、情報は得られなかったと明らかにした。

トランプ(Donald Trump)大統領は移民と合成麻薬フェンタニルによる「脅威」を理由に、国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく国家非常事態を宣言。メキシコ国境に軍を展開し、軍用機で不法滞在者を送還するなど、様々な移民・麻薬対策を導入している。

トランプ政権は2月、メキシコの麻薬組織シナロア・カルテルやハリスコ新世代など、中南米の8つの麻薬組織を「外国テロ組織」に指定した。

これらの組織とつながりがあったり、何らかの取引を行っている金融機関は制裁の対象となる可能性がある。

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