◎トレンデアラグアはベネズエラ北部アラグア州の刑務所で創設されたギャングである。
ベネズエラのギャング「トレンデアラグア」の戦闘員(Getty Images)

米政府が11日、ベネズエラのギャング「トレンデアラグア」を制裁リストに追加した。

財務省は声明で、「このギャングは人身売買などを通じて、ベネズエラだけでなく、中南米全体に脅威を与えている」と非難した。

この制裁により、トレンデアラグアおよびその構成員が米国内で保有する資産は全て凍結される。

また同省はトレンデアラグアの創設者とされる3人の逮捕につながる情報に対し、1200万ドル(約19億円)の報奨金をかけると発表した。

トレンデアラグアはベネズエラ北部アラグア州の刑務所で創設されたギャング。ベネズエラ当局は昨年、この組織を解体したと発表していたが、幹部の行方は分かっていなかった。

トレンデアラグアの構成員は約5000人とされ、人身売買、誘拐、強盗、薬物取引、麻薬密売、売春、恐喝、金の違法採掘などを生業としている。

米当局によると、トレンデアラグアは現在、エルサルバドルに拠点を置く中米最大のギャング、マラ・サルバトルチャ(通称MS-13)などと連携し、多くの犯罪行為に関与しているとみられる。

財務省は声明の中で、「トレンデアラグアは搾取から逃れようとする市民・移民・難民を殺害したり、他の犯罪組織に売り払って利益を上げる、極悪非道な組織である」と強調した。

トレンデアラグアの構成員の多くがベネズエラの刑務所に収監されている。

マドゥロ政権がもたらした経済危機により、数百万人の市民が国外に流出。その一部はトレンデアラグアなどのギャングの力を借りて米国への亡命を目指している。

コロンビア、ペルー、エクアドルなど、ベネズエラの移民が多く住む国の警察は、多くの犯罪にトレンデアラグアやMS-13のようなギャングが関与していると長年批判してきた。

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