◎メキシコの麻薬カルテルはフェンタニルやメタンフェタミンを正規の薬に見せかけ、米国などに密輸・販売している。
米財務省は30日、メキシコの麻薬組織「シナロアカルテル(Sinaloa Cartel)」の幹部3人を制裁リストに追加した。
同省の外国資産管理局は声明で、「リベラ・サズエタ(José Angel Rivera Zazueta)と他の2人が米国内に保有するあらゆる資産を凍結する」と述べている。
同省によると、ザズエタ容疑者は外国向けの麻薬を取り扱い、米国、メキシコ、中南米、欧州、アジア、アフリカ、オーストラリアの組織と連携して密売に深く関与しているという。
同省は、「ザズエタらは中国からメキシコに化学物質を輸入し、それを使って致死性のオピオイドであるフェンタニルとメタンフェタミンを含む合成ドラッグを製造している」と説明した。
また同省は、「ザズエタらは米国市場向けのフェンタニルを製造し、それに偽のラベルを貼り付け、密輸している」と指摘した。
フェンタニルは2ミリグラム服用しただけで死に至る可能性があり、その効果はモルヒネの100倍といわれている。
米国では毎年数万人がフェンタニルの過剰摂取で死亡している。保健当局によると、その多くは自分がフェンタニルを服用していることに気づいていないという。2020年4月~2021年4月の死者数は初めて10万人を超えた。
メキシコの麻薬カルテルはフェンタニルやメタンフェタミンを正規の薬に見せかけ、米国などに密輸・販売している。
米国とメキシコ当局はザズエタがコロンビアから米国、スペイン、イタリア、グアテマラ、メキシコ、中米、欧州に大量のコカインを密輸したとして指名手配している。