米財務省、メキシコの麻薬組織「ハリスコ新世代」の幹部に制裁

ハリスコ新世代は世界最大の麻薬組織シナロア・カルテルの宿敵であり、西部ハリスコ州に本拠地がある。
メキシコの麻薬組織「ハリスコ新世代」の戦闘員たち(Getty Images)

トランプ米政権は18日、メキシコで最も危険な麻薬組織のひとつである「ハリスコ新世代(Jalisco New Generation)」の幹部5人に対し、麻薬密売に関与したとして制裁を科した。

ハリスコ新世代は世界最大の麻薬組織シナロア・カルテル(Sinaloa Cartel)の宿敵であり、西部ハリスコ州に本拠地がある。

過去の政権もハリスコ新世代に複数の制裁を科してきた。

トランプ政権は先月、このカルテルの燃料窃盗活動を対象とする制裁を講じた。

一連の制裁により、ハリスコ新世代が米国内で保有する資産は凍結され、米国民はこの組織と取引することを禁じられている。

ベッセント(Scott Bessent)財務長官は声明で、「このテロ組織はメキシコ全土に恐怖を拡散し、フェンタニルを米国に密輸することで、無数の罪のない命を奪ってきた」と非難した。

またベッセント氏は「米国はハリスコ新世代やその他カルテルが、危険な麻薬を街に氾濫させ、民間人に対して凶悪な暴力行為を行う能力を低下させるために、あらゆる手段を駆使して強力に対処していく」と強調した。

合成麻薬フェンタニルは2ミリグラム服用しただけで死に至る可能性があり、その効果はモルヒネの100倍、ヘロインの50倍といわれている。

米国では過去10年間で45万人以上が合成オピオイドの過剰摂取で死亡、数百万人が中毒になっている。その最大の要因がフェンタニルである。

米国内で流通するフェンタニルの99.99%がメキシコ産である。

米財務省はハリスコ新世代の最高司令官の逮捕につながる情報に1500万ドルの報奨金をかけている。

専門家によると、ハリスコ新世代の戦闘員数は傘下の民兵などを含めると1万5000~2万人と推定されている。

トランプ政権は2月、ハリスコ新世代やシナロア・カルテルなど、中南米の8つの麻薬組織を外国テロ組織に指定した。

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