米財務省がブラジル最高裁判事に制裁、ボルソナロ裁判で対立激化
米財務省は人権侵害の加害者や腐敗した役人を対象とする「グローバル・マグニツキー人権責任法」を制裁の根拠に挙げた。
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米財務省は30日、ブラジル最高裁のジモラエス(Alexandre de Moraes)判事に制裁を科した。
ベッセント(Scott Bessent)財務長官は声明で、「ジモラエス氏は抑圧的な検閲、人権を侵害する恣意的拘禁、そしてボルソナロ(Jair Bolsonaro)前大統領に対するものを含む政治的な弾圧の責任を負っている」と述べた。
トランプ(Donald Trump)大統領は今月初め、盟友のボルソナロ氏が「魔女狩り裁判」にかけられているとして、8月1日からブラジル産の輸入品に50%の関税を課すと表明。この裁判を打ち切るよう要求した。
ボルソナロ氏はクーデターを起こした罪などで起訴されている。
ジモラエス氏は今年3月、ボルソナロ氏を被告人と認定し、公判の開始を決定した。
米財務省は人権侵害の加害者や腐敗した役人を対象とする「グローバル・マグニツキー人権責任法」を制裁の根拠に挙げた。
この決定により、ジモラエス氏が米国内で所有する資産や財産は凍結される。
ブラジル最高裁と大統領府はこの件に関するコメントを出していない。
米国務省は2週間前、ジモラエス氏とその家族、裁判所関係者などのビザ(査証)を取り消した。
ボルソナロ氏は息子を通じて米政府高官と接触。ジモラエス氏らに制裁を科すよう働きかけていたとされる。