◎米政府は先月、チャド政府の合法性に疑問が生じているとして、約100人の部隊を撤退させると発表していた。
米アフリカ軍がチャドに駐留する部隊を維持するために、1カ月以内に協議を開始する予定だ。現地メディアが1日に報じた。
米政府は先月、チャド政府の合法性に疑問が生じているとして、約100人の部隊を撤退させると発表していた。
これはサヘル地域で活動する国際テロ組織アルカイダやイスラム国(ISIS)系組織と戦う連合軍に打撃を与えるものであり、多くの専門家が懸念を示していた。
米アフリカ軍の司令官はガーナで開催された会合後、記者団に対し、「チャド駐留軍維持に向けた協議を1カ月以内に開始する予定だ」と語った。
また司令官は「一部部隊のチャドからの撤退は一時的なものであり、チャド政府は今月の大統領選後も米国との安全保障協定を継続したいと申し出ている」と明らかにした。
チャド政府はこの発表に関するコメントを出していない。大統領は6日に予定されており、現職のデビ(Mahamat Idriss Deby)大統領が勝利すると予想されている。
チャドは世界で最も貧しい国のひとつであり、1960年の独立以来、政治情勢が安定したことは一度もない。
イドリス・デビ(Idriss Deby Itno)前大統領は2021年4月、反政府勢力「チャド変革友愛戦線(FACT)」との戦闘で戦死。これを受け、軍の最高司令官であった息子のデビ氏が議会を解散し、軍事評議会を発足させ、大統領代行に就任した。
デビ氏は民政復帰を約束したものの、移行期間を2年延長。選管は今年2月、待ちに待った大統領選を5月6日に行うと発表した。